社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年06月22日号

一般歳出を3年間、据え置く方針に

政府は財政健全化に向けた基本方針で、2011~13年度予算において一般歳出を2010年度と同じ53.5兆円に据え置くことを固めた。また、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を15年度までに赤字を半減させ、20年度までに黒字化させる目標を掲げた。今後、高齢化による社会保障費の自然増は避けられないに加えて、政権公約(マニフェスト)を実行するとなると、歳出が膨張し、国債依存からの脱却は困難な実情にある。今回の財政健全化基本方針では、歳出を抑制する一方で、プライマリーバランスの目標達成のためには消費税率引上げも必要となってくる。



法人税率10%引下げでGDP5.9兆円増

経済活性化と国際競争力を高めるとして法人税率引下げ論議が高まっている中、第一生命経済研究所は法人税率を10%引き下げた場合、10年後、実質国内総生産(GDP)は5.9兆円増加するとの試算結果を発表した。法人税率引下げによって、企業の手元資金(キャッシュフロー)が増えて投資が増加するとともに、外資系企業の日本向け投資で雇用が20万人増え、個人消費が活性化するとみている。ただ、税率引き下げは財政面でマイナスに作用し、同研究所では「減税するに当たっては他の財源手当も必要になる」として、暗に消費税率引上げの必要性を指摘している。



09年度脱税摘発額は290億円に

国税庁は、2009年度の強制調査(査察)で摘発した脱税事件は210件に及び、加算税を含む脱税総額は約290億円だったと発表した。件数は前年度比1%の微増だったが、脱税額では同18%減となった。このうち悪質として検察庁に告発されたのは149件で、1件当たりの脱税額は1億7千万円だった。税目別にみると、所得税が53億円(前年度比34%増)、相続税が19億円(同81%増)、消費税が19億円(同52%増)と増加が目立った。業種・取引別では、地価高騰を受けた不動産業(15件)が最も多く、スクラップなどでの資源価格高騰となった鉱物・金属材料卸(11件)が続き、それぞれ高騰の影響で利益を上げた企業の脱税が多かったとみられる。



年間平均所得、200~300万円が最多

厚生労働省が行った「09年国民生活基礎調査」によると、世帯別の所得状況で最も多かった階層は全体の13.9%を占めた「200~300万円」で、次いで「300~400万円」(13.3%)だった。所得分布では1000万円以上の所得のある世帯もあり、平均所得では547万5千円だった。この平均所得額を下回る世帯は全世帯の61.5%が集中している。所得が少ない高齢者世帯の増加や景気低迷による所得減少が影響している。



5月の住宅エコポイント発行は13億円分

住宅エコポイント制度による5月の発行ポイントは13億416万円分となることが、国土交通省・経済産業省・環境省の3省の発表で分かった。前月の5.7倍に達する大幅な増加となる。住宅エコポイント制度の周知が浸透するとともに、住宅関連産業の積極的な売り込みもあって、新築・改修の発行が進展したとみられる。同制度は、省エネにつながる住宅の新築や改修する際に、商品と交換できるポイントを受け取れるもので、新築では一律30万ポイント(1ポイント=1円分)がもらえる。



「心の病」の労災申請、過去最多に

厚生労働省のまとめによると、2009年度に過労を原因とするうつ病などの精神障害を発症し、労災申請した人は1136人に上り、過去最多になったことが分かった。前年度比22.5%の増加で、自殺した人は157人もいた。申請のあった人のうち、労災を認定された人は234人(認定率27.5%)となっている。認定された人を年代別に見ると、30代が75人で最も多く、40代の57人、20代の55人が続いた。また、脳卒中など脳・心臓疾患の労災申請は767人で、293人(認定率38.2%)が認定された。



世界の富裕層、前年比14%の増加

米ボストンコンサルティンググループの調査によると、2009年末に金融資産を100万ドル(約9100万円)以上所有する世界の富裕層は前年比14%増加していることが分かった。首位は米国で同15%増の471万人で全世界の4割強を占め、2位となった日本は同1%増の123万人だった。高い成長を続けている中国は同31%増の67万人で、3位となる躍進をみせた。



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