国税庁は、2009年度の強制調査(査察)で摘発した脱税事件は210件に及び、加算税を含む脱税総額は約290億円だったと発表した。件数は前年度比1%の微増だったが、脱税額では同18%減となった。このうち悪質として検察庁に告発されたのは149件で、1件当たりの脱税額は1億7千万円だった。税目別にみると、所得税が53億円(前年度比34%増)、相続税が19億円(同81%増)、消費税が19億円(同52%増)と増加が目立った。業種・取引別では、地価高騰を受けた不動産業(15件)が最も多く、スクラップなどでの資源価格高騰となった鉱物・金属材料卸(11件)が続き、それぞれ高騰の影響で利益を上げた企業の脱税が多かったとみられる。 |