社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年06月15日号

企業の公的負担高い日本

経済産業省は法人税はじめ関係する諸税や社会保険等の事業主負担などの企業の公的負担割合が50.4%と国際的に「非常な高水準」にあると発表した。負担の内訳は、国税と社会保険料の事業主負担が31.8%で、固定資産税や事業税などの地方税負担が18.6%となっている。諸外国をみると、米国が42.8%、英国が41.6%、オランダが31%となっており、日本企業の公的負担率が極めて高い水準にあるといえる。国際競争力を阻害する要因と指摘されている法人税率の引下げ論議に一石を投じそうだ。



5割が介護保険料引上げに「やむなし」

厚生労働省がインターネットで行った調査によると、約5割の人が現在の介護サービスを維持・充実する上で介護保険料の引上げを「やむを得ない」との考えを持っていることが分かった。2000年の介護保険制度が発足して以来、保険料は引上げが続いてきているが、「負担が増えても、介護サービスの維持・拡充を求める」国民が多いことが調査結果から見て取れる。また、自分自身が介護を受ける場合に望みたいことを聞いたところ、「家族に依存せずに生活できる介護サービスがあれば、自宅で介護を受けたい」とする向きが約46%と最も多かった。



2030年にCO2を30%削減が可能

経済産業省は「エネルギー基本計画」を推進すれば2030年の二酸化炭素(CO2)排出量は1990年比で約30%削減できるとの試算を発表した。「エネルギー基本計画」は国のエネルギー政策の指針となるもので、①エネルギー自給率を現行の38%から70%程度に上げ、②CO2を排出しないゼロエミッション電源比率を現行の2倍の約70%にするなどの目標を掲げている。家庭やオフィスなどの民生部門ではエネルギー効率の高い照明や空調設備などの普及で省エネ対策を徹底し、運輸部門では新車の最大7割を次世代自動車に切り替えることなどでCO2の排出削減を図る計画である。



個人向け保険の契約高、1千兆円割れ

生命保険協会は2009年度末の個人向け保険の保有契約高が21年ぶりに1千兆円台を割り込む997兆円となったと発表した。保有契約高は死亡保険金の総額を表すもので、死亡保険の減少に歯止めがかからない実情がある。とくに、死亡保険に加入しない若者の増加と中高年層契約者が死亡保障額を減額する傾向が顕著になってきている。他方、個人年金保険の保有契約高は5.4%増加となっている。



正社員の中途採用は半減、狭き門に

リクルートの研究機関であるワークス研究所の調査によると、2009年度の正社員の中途採用実績は前年度比49.9%減少していることが分かった。中途採用の減少率は比較が可能な1970年代以降で過去最大となっており、正社員の中途採用はまさに狭き門となっている。同研究所では「雇用の過剰感は引き続き強く、本格的な雇用回復に至るまでは時間がかかる」と分析している。また、「新卒者を優先したことで中途採用が抑制された」とも見ている。



住宅ローン新規融資、9年ぶりの低水準

2009年度の住宅ローン新規融資額は14兆1595億円で、前年度を4.9%割り込み、9年ぶり低水準に落ち込んだことが明らかになった。雇用や所得環境が厳しい中にあって住宅購入意欲が低迷していることが影響している。今年4月の新設住宅着工戸数は前年同月比0.6%の増加に転じて持ち直し感も見られるが、大手銀行では「今後、大きく伸びる感じはしない」と慎重な見方を示している。



生活保護世帯数、過去最多を更新

2009年度に生活保護を受けた世帯は月平均約127万世帯で、過去最多を更新したことが厚生労働省のまとめで分かった。17年連続の増加。今年3月時点での受給世帯数も134万世帯に及び、増加傾向に歯止めがかからない状態にある。生活保護を受けている人数は09年度で約176万人となり、最も少なかった1995年度の約88万人と比べ倍増している。



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