厚生労働省は労働者派遣事業報告で、2009年度の派遣労働者の総数は、前年度比42.4%減少の230万人にとどまったと発表した。派遣労働者の大幅な減少は、製造業を中心に景気低迷による派遣契約の打ち切りの増加がみられたのに加えて、派遣労働の規制強化をにらんで企業側が派遣雇用に慎重になった影響がある。230万人の派遣労働者数のうち、160万人は仕事があるときにだけ働く「登録型派遣労働者」だった。大幅な派遣労働者数の減少に関して、第一生命経済研究所では「一般の就業者数も09年度、ここ10年間で最大規模の108万人が減少しており、この受け皿として派遣雇用が機能してきた。派遣労働に対する規制が厳しくなると、さらに雇用吸収力が低下しかねない」と一段の雇用環境の悪化を指摘している。 |