社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年05月25日号

日本の債務、2015年にGDP比2.5倍に

国際通貨基金(IMF)がまとめた世界各国の財政見通しによると、日本の政府債務は国と地方を合わせ2015年には国内総生産(GDP)比で250%まで上昇するとの推計していることが分かった。先進29カ国での政府債務は、2010年の97.8%から2015年には110.2%に上昇する一方で、高成長を遂げている新興国は2011年から低下に転じて15年には34.2%にまで減少と予測しており、国家財政面における先進国と新興国との格差は広がる。同基金では、先進国で債務残高が膨らみ、政策経費を税収で賄えない比率も高いと分析している。



1世帯あたりの平均貯蓄額は1638万円

総務省は2009年平均家計調査(2人以上の世帯)で、1世帯あたりの平均貯蓄額は前年比2.5%減少の1638万円だったと発表した。4年連続で前年比割れとなった。貯蓄の内訳でみると、リーマンショックの影響で株式投資を敬遠する向きが多く、有価証券が17.8%減少の222万円となった。また、生命保険も低迷する所得を背景に1.8%減少した。他方、家計の負債は前年より3.8%減少の479万円と3年連続で減少している。同省では、「景気低迷で住宅や土地を購入する世帯が減少した」とみている。経済の収縮状況が家計に投影されているのが浮き彫りとなっている。



日本の競争力は27位に急落

スイスの経営開発国際研究所(IMD)は、「2010年世界競争力年鑑」で、日本の総合順位が58カ国・地域で、前年の17位から27位へと急落したと発表した。IMDは各国の「経済状況」「政府の効率性」「社会基盤」「ビジネスの効率性」の4分野を約300項目の統計や調査に基づいて分析し毎年順位付けをしている。日本の急落は、経済成長率の低下など経済状況が大幅に悪化すするとともに、少子高齢化による労働力不足で社会基盤分野と、膨らむ財政赤字での政府効率性分野が評価を下げた。シンガポールが初めて首位となり、これまで首位だった米国は財政赤字を背景に3位に転落した。日本は調査開始の1989年から5年間首位の座にあった。



WHOが酒類販売・広告に規制

世界保健機関(WHO)は総会で酒類の販売や広告を規制する新指針を採択した。指針では「飲酒は世界で年間250万人の死因に関係している」と警告を発し、大量飲酒による健康被害などを防止する上から、販売時間の制限や課税によって価格を引き上げるなどの対応を例示し、各国政府や業界に対応を促している。条約と違って強制力は持たないものの、各国の酒類メーカーは自主規制の強化に乗り出す方針である。採択された新指針の例示として、販売面では、飲食店での飲み放題の制限や小売時間の制限、安売り防止なども掲げられ、居酒屋業界など日本での関係業界への影響も少なくないとみられる。



ネット有料情報でのトラブルが多発

国民生活センターに寄せられるインターネット上の「有料情報」を巡る相談件数が急増している。06年度に寄せられた相談は37件だったが、09年度は937件にも上った。有料情報の購入者の平均年齢は約40歳で、平均購入額は5万2千円。20~40歳代が全体の76.6%を占めた。購入するのは、「必ず儲かる」「他では手に入らないノウハウ」といった金銭や収入に関するもの、「必ずもてる」といった恋愛や結婚に関するもの、「必ず上達する」といった趣味やスポーツに関するものなどの情報が多いという。購入した通りの効果が得られなかったとして返金に応じてもらえない、途中解約ができないなどのトラブルとなっている。



1~3月期の「1年以上失業」は114万人

総務省の労働力調査によると、2010年1~3月期における失業期間が1年以上の完全失業者数は前年同期より23万人増加の114万人に上ることが分かった。完全失業者の総数は28万人増加の332万人となっている。失業期間が長期化してきており、抜本的な雇用対策が急務である。



08年の世帯所得は547万円に

厚生労働省が行った国民生活基礎調査によると、2008年の1世帯あたりの平均所得は547万5千円(税・社会保険料含む)であることが分かった。2年連続の減少で20年ぶりの低水準となる。1世帯当たりの平均所得は1994年の664万円がピークで、08年はそれを17.6%減少したものとなっている。



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