社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2010年05月18日号

「国の借金」、882兆円で過去最大を更新

財務省は2009年度末の「国の借金」の総額が過去最大を更新する882兆9235億円に達したと発表した。「国の借金」は国債をはじめ借入金、政府短期証券の合計額で、前年度末より36兆円超も増加した。国民1人当たりに換算すると約693万円となる。国債通貨基金(IMF)のまとめによると、国と地方を含めた公的債務残高の国内総生産(GDP)比率は2009年末で218.6%となり、先進国の中では唯一突出している。政府は、6月中に中長期の中期財政フレームを策定する予定だが、ここで財政再建に向けた工程表が不鮮明だった場合、国債の格付けが下がりかねない。



自殺者、12年連続で3万人超の事態に

警察庁は、2009年の自殺者数が3万2845人となり、12年連続で3万人を超えたと発表した。男性が全体の71.5%を占める。自殺者のうち、特定できた原因・動機は「失業」が最も多く、次いで「生活苦」となっており、景気低迷による「経済・生活問題」に悩むケースが際立った。職業別にみると、「無職者」が全体の5 7.0% を占めて最も多く、次いで「被雇用者・勤め人」(27.9%)、「自営業・家族従事者」(9.7%)、「学生・生徒等」(9%) の順となっている。また、年代別人口に占める自殺者の割合が最も高かったのは50代だった一方、20代・30代では過去最高を更新しているのが注目される。



長寿国・日本にサンマリノが並ぶ

世界保健機構(WHO)は、2010年版「世界保健統計」で、08年時点での平均寿命は日本とサンマリノが83歳の最長であると発表した。これまで日本の平均寿命は日本が83歳で単独の首位をキープしてきたが、イタリア半島にあるサンマリノが追い付き首位が並んだことになる。同機構に加盟する193ヶ国での平均寿命は68歳(男性:66歳、女性:70歳)だった。平均寿命が短かったのはジンバブエとアフガニスタンの42歳となっており、富裕国と貧困国の平均寿命格差の比例傾向が鮮明にみられた。日本の平均寿命は男性が79歳、女性が86歳だった。



ペット保険加入件数、過去最多に

調査会社の富士経済のまとめによると、ペットの診療費を補償するペット保険の加入件数が2010年末時点で過去最多の54万1千件に達するとの予測が明らかになった。ペット保険は、06年4月の改正保険業法によって、それまでの監督官庁や根拠法がない共済から、金融庁による審査や08年3月までの保険会社への移行義務付けが行われ、保険への信頼度が高まり、加入件数が急増した。一般的な保険サービスでは、小型や中型といった動物サイズと年齢によって毎月2千―7千円の保険料で、診療費の半額が補償される。同社では、「現在加入率は約2%だが、将来的には10―15%に上がる」とみている。



高齢者の運転免許返納が大幅増加

警察庁のまとめによると、2009年に高齢などを理由に自動車運転免許を自主的に返納した人が5万人を超えたことが分かった。前年比75.3%もの大幅な増加で、その殆んどは65歳以上の高齢者だった。自主返納制度は、1998年の改正道交法で、高齢ドライバーの事故多発を背景に導入された。改正当初は「身分を証明するものがなくなる」との声もあって進展しなかったが、02年6月に返納者に対して「運転経歴証明書」の発行を開始してからは増加が見られていた。この代替証明書を呈示することでバスやタクシー運賃の割引が受けることができるといった地方自治体の後押しも、免許証の自主返納に拍車をかけたとみられる。



広がる、恋人からの暴力(DV)

民間支援団体「アウェア」が高校・大学生を対象にした調査で、恋人からの暴力「デートDV」を受けたことがある女子は22.6%に達し、5人に1人の女性が被害にあっていることが分かった。男子でも8.6%に上っている。調査は、「親密な関係の人がいた」とする女子535人、男子314人の恋人関係にあった男女のうち、デートDVを受けた女子121人、男子28人となっている。デートDVを受けた内訳をみると、「携帯電話のメールをチェックされたり、ほかの友人との付き合いを止めたりする行動制限」(男女合わせて52.6%)が最も多く、「馬鹿にするなど言葉の暴力」(同40.8%)、「物を投げつけるなど身体的暴力」(同35.1%)、「性的な暴力」(同25.6%)の順となっている。



トップへ