日銀の発表によると、国内銀行の地方自治体向け融資残高は、2月末時点で前年同月比11%増加の22兆575億円となり、過去最高となったことが分かった。背景には、自治体が下水道や地下鉄整備事業などで国から財政融資資金を借り受けて行ってきたが、政府がこれらの資金を繰り上げ償還する場合について、利払いを免除する償還制度を2007年度から始めた結果、自治体が高利の貸付金を繰上げ償還する動きが増加した。償還のための借換先が民間銀行となった恰好である。銀行にとっては破綻懸念のある企業融資よりもリスクの小さい自治体向け融資に踏み切りやすかったことも大きな要因である。しかし、自治体への厳しい財政事情もあり、銀行にとっては将来的なリスク増加にもなりかねない。 |