社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年04月13日号

省庁毎に支出額を毎月公表へ

政府は国家戦略室が作成した情報開示の指針に基づき、各省の局などの組織ごとの予算対比支出状況や旅費・出張費などの支出額を公表することにした。年度末の予算消化のための駆け込み執行といった無駄な支出を防ぐとともに、政治主導による予算執行状況をチェックする狙いがある。これまでの省庁の情報開示は補助金の支出先などにとどまっていたが、無駄遣い削減を徹底する姿勢を示している。また同時に、執行済みの予算を省自体が検証する「行政事業レビュー」も行い、見直しの余地があれば、次年度予算編成にも反映させることもスタートさせた。



自治体への銀行融資残高、過去最高に

日銀の発表によると、国内銀行の地方自治体向け融資残高は、2月末時点で前年同月比11%増加の22兆575億円となり、過去最高となったことが分かった。背景には、自治体が下水道や地下鉄整備事業などで国から財政融資資金を借り受けて行ってきたが、政府がこれらの資金を繰り上げ償還する場合について、利払いを免除する償還制度を2007年度から始めた結果、自治体が高利の貸付金を繰上げ償還する動きが増加した。償還のための借換先が民間銀行となった恰好である。銀行にとっては破綻懸念のある企業融資よりもリスクの小さい自治体向け融資に踏み切りやすかったことも大きな要因である。しかし、自治体への厳しい財政事情もあり、銀行にとっては将来的なリスク増加にもなりかねない。



大学生の就職志望企業1位にJTB

リクルートが来春卒業予定の大学生の就職志望ランキング調査で、JTBグループが首位となった。また、2位にJR東海、3位にJR東日本となり、上位3位までが旅行・運輸関連企業が占める一方、JR西日本(16位)が20位圏内に入り、不況に強いとされる鉄道会社の人気が際立った。注目企業では、リコール問題を抱えるトヨタ自動車は82位(前年96位)、株式上場した第一生命は86位(同136位)、経営再建の日本航空は100位圏外(同14位)となった。



日本の高校生の45%が『授業中、居眠り』

財団法人日本青少年研究所が行った「日米中韓の高校生比較調査」によると、日本の高校生の45.1%が「授業中に居眠りをする」と答え、4カ国の高校生の中では最も高かった。韓国(32.3%)、米国(20.8%)、中国(4.7%)を大きく引き離した形の「授業中の居眠り」だが、同研究所では「日本の高校生はゲームや携帯電話メールで夜更し、授業に集中力を欠いている」との原因を指摘している。



携帯電話、ドコモが4年ぶりに首位に

電気通信事業者協会は2009年度の携帯電話契約数によると、純増数でNTTドコモが148万件超となり、4年ぶりに首位になったと発表した。純増数は前年度比22.1%もの躍進ぶり。パソコン向けデータ通信端末の販売が奏功した。携帯4社合計の純増数は前年度比で1.4%減少となっており、携帯市場の成熟化状況を浮き彫りにしている。



09年度、車リコールは過去4番目の多さ

国土交通省が発表した2009年度の自動車リコール(回収・無償修理)の届け台が約327万台に上ることが分かった。届け出件数は304件で過去4番目の多さとなった。このうち、ブレーキに不具合が見つかった「プリウス」など、対象台数が20万台以上という広範囲に及ぶ届け出は5件もあった。04年度の三菱ふそうトラックなどのリコール隠し以降、届け出件数は年間300件前後もの高止まりで推移してきている。同省リコール対策室では「メーカーの危機管理意識が高まり、わずかな不具合でも届け出て改善につなげる傾向が強まっている」と、届け出件数の高止まり傾向を分析している。



若年性認知症患者は推定で4万人に

厚生労働省によると、65歳未満の人が発症する「若年性認知症患者」は全国で推計3万8千人に上るとの推計を発表した。ただ、病名を隠したがる患者がいることや、診断に結びつかない実態もあり、その患者数は5万~8万人とする推計もある。その発症は50歳代が中心となっており、原因として脳の中の異常で神経細胞が消滅し、脳が小さくなるアルツハイマー病が知られている。社会生活も困難となり、進行が早い現役世代が患えば、ローン返済の滞り自己破産するケースも起きている。順天堂大学の新井教授は、「職場や家庭などで理解を深めて、医療者や行政も含めて支え合うべきだ」と話す。



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