社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年03月30日号

国の財政、悪化方向にと指摘が過去最多

内閣府が行った「社会意識に関する世論調査」(成人男女1万人に面接)で、日本社会で悪い方向に向かっている分野を尋ねたところ(複数回答)、トップには「景気」(63.1%)を挙げ、次いで「雇用・労働条件」(56.5%)、「国の財政」(47.6%)、「外交」(28.3%)の順で指摘していることが分かった。「景気」「雇用・労働条件」が前年を下回っている一方で、「国の財政」を挙げた人が4.7ポイント増えて過去最高を記録し、国民の間に国家財政への危惧・不安が広がっていることを物語った。また、国民の経済格差を踏まえて、政府に必要な政策として「所得向上への努力が生かされる制度改善」(32.6%)が最も多く、所得格差の温床ともいえる非正規雇用者の労働環境を克服する制度の改善を望む声が浮き彫りとなっている。



緊急保証制度利用が100万件を突破

中小企業の資金繰りを支援する景気対応緊急保証制度の利用件数が、2008年10月末スタートからこの3月中旬までに100万1284件の保証承諾があり、100万件を突破したことが分かった。緊急保証制度は信用保証協会が民間金融機関の中小企業への貸し付けを100%保証するもので、企業が返済不能に陥った場合、保証協会が債務全額を肩代わりする制度。年度末や景気の2番底懸念などから資金需要が高まっていることを踏まえて、中小企業庁は相談体制を強化してきている。



食料自給率目標、2020年に50%を

農林水産省がまとめた今後10年間の農政のあり方を示す「食料・農業・農村基本計画」素案の中で、食料自給率を現在の41%を2020年度に50%まで引き上げる目標を掲げた。毎年1%ずつ積み上げていく計算となるが、その決め手としているのが農業者個別所得補償制度で10年度からコメを対象に先行実施される。同制度は生産費が販売価格を上回る赤字分を補償するもので、1兆円もの巨費が投じられる。しかし、自給率は安価な農産物の輸入増加により40%前後で長期低迷が続いており、現実的には重い課題ともいえる。



10年度経営展開、「攻め」6割、「守り」4割

日本経済新聞社が行った経営者アンケート調査で、2010年度の経営展開で「攻め」と「守り」の配分を尋ねたところ、「攻め」が6割、「守り」が4割となり、業績と景況の改善を受けて「攻め」に転じる姿勢を浮き彫りにした。また、2010年度の経営課題をたずねたところ(複数回答)、「新しい収益源の確立」「製品・サービスの高付加価値化」「新興市場の開拓」「営業・販売体制の強化」の順で上位を占めるなど、積極的な姿勢が鮮明だった。三菱総合研究所エコノミストは「手持ちの事業だけでは中長期的な収益向上が期待しにくい切迫感が、〝攻め〟の比重を上げることにつながっている」とみている。



10組に3組が離婚の可能性が

厚生労働省の人口動態統計特殊報告で、2005年の離婚状況が続けば、10組中3組が離婚するペースの状況に陥ることが分かった。調査では年齢別に調整した生涯での離婚率を分析したもの。離婚を経験するペースが、1950年では1割の人だったが、2000年では2割にも上った。婚姻率が減少し、婚姻率に対する離婚率の割合は2005年に男性が0.30、女性が0.29に達しており、同省では「このままの状況なら将来的に10組に3組が離婚するペース」と説明している。



従業員への教育費支出が半減

厚生労働省が発表した労働者の職業訓練の実態をまとめた「能力開発基本調査」によると、2008年度に企業が支出した社内教育費は従業員1人当たり平均で1万3千円になっていることが分かった。前年度の2万5千円から半減している。また従業員の自己啓発のために企業から支援する費用支出も前年度の従業員1人当たり平均8千円から4千円にと減っている。業績低迷による教育費への支出を抑制した企業姿勢が浮き彫りとなった。



日本の景況天気、3年ぶり「薄日」

日本経済研究センターが発表した世界主要国の景況感を表す「1月の世界景気天気図(インデックス)」によると、日本は2007年2月以来「雨」だったが、約3年ぶりに「薄日」となった。企業の生産活動が好調だったことを反映している。中国は2ヶ月連続で「快晴」だったものの、欧米は依然「嵐」となっている。



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