社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年02月23日号

1万9千件の返済猶予申請が

住宅ローン返済に苦しむ個人や中小企業を対象とした中小企業金融円滑化法が昨年12月に施行されたが、大手6銀行に対する申請件数は昨年12月末時点で1万9352件(金額は8692億円)だったことが分かった。これらのうち、返済繰り延べや毎月の返済額減額などの条件変更に応じたのは3213件(金額は2694億円)となった。件数ベースで見ると、申請件数の16.7%に止まり、殆んどは審査中の案件となっている。申請全体の約8割を占めた中小向け融資の猶予については、元本部分の返済を一定期間猶予するというケースが多いものの、銀行側は「法施行前と比べ微増程度」と話しており、中小企業の猶予申請は「様子見」といった感が強いと見られる。



先進国の失業率、過去最悪に

経済協力開発機構(OECD)は加盟30カ国の2009年の平均失業率は統計開始の1988年以降で過去最悪の8.3%になったと発表した。加盟国の失業率は2年連続での上昇なり、前年比でも2.2ポイントの大幅な上昇となった。世界的に見ると、最悪となったスペインの18.1%をはじめとする欧州諸国が10%を超え、米国の9.3%が際立っている。各国が雇用対策に力を入れているものの、OECDでは20140年の失業率はさらに9%台で高止まりするものとみている。



ティッシュペーパーなど、1-2割値上げに

大手家庭紙メーカーは、ティッシュペーパーやトイレットペーパーの出荷価格を3月下旬以降から卸売り価格を1-2割引き上げると相次いで発表した。大王製紙や日本製紙クレシアが3月21日出荷分から、王子ネピアが4月1日出荷分から値上げすることで卸各社に要請を行った。昨春よりも4割もの原料が上昇したパルプと重油燃料が引き上がったことによる価格転嫁となる。大手メーカーは昨年10月にも値上げを打ち出したが、卸各社から受け入れられず、むしろ下落した経緯もあり、消費低迷によるデフレ環境の中で、小売側からの反発強いものとみられる。値上げとなれば、トイレットペーパー12ロール入りは、20-40円程度、店頭価格が引き上がるとみられる。



厚労省、公共施設での全面禁煙を通知

厚生労働省は全国の自治体に対して公共的施設を原則全面禁煙するよう要請する通知を出す方針を固めた。今回の全国自治体への通知は健康増進法に基づくもので、これまでの喫煙できる場所を限定する「分煙」では受動喫煙が完全に防止できないとの考えに基づくものである。全面禁煙となる対象施設は、病院、飲食店、ホテル、駅などの利用者が多く集まる施設を挙げている。この通知による罰則はなく、あくまでも施設管理者側の対応に委ねている。神奈川県では今年4月から違反者に過料を科す受動喫煙防止条例が全国で初めて施行されることになっており、今回の厚労省の通知は他の自治体にも波及していくものとみられる。



産廃の不法投棄は20万トン超に

環境省は2008年度に新たに見つかった不法投棄の産業廃棄物は20万3千トンに上ったと発表した。見つかった件数は前年度より74件減少の308件だったが、量では10万1千トン増加した。同省では、三重県で5万8千トンもの大規模な不法投棄が見つかったため、全体量が大きく上回ったとしている。産業廃棄物の種類では、がれき類や木くずなどの建設系廃棄物が17万7千トンで、全体の約9割以上を占めた。都道府県別にみると、三重県(6万8千トン)が最も多く、福島県(4万4千トン)、茨城県(3万6千トン)が続いた。不法投棄の実行者は建設業などの「排出業者」が約5割を占めた。



エイズ検査が7年ぶりに減少

厚生労働省のまとめによると、自治体が行った2009年のエイズウィルス検査件数は15万252件で、前年より約15%減少したことが分かった。7年ぶりに前年を下回った。しかし、その一方、早期発見が出来ずに、エイズ発症が確認された患者の割合は6年ぶりに増加に転じており、同省では「早期発見のために検査を積極的に利用して欲しい」と呼び掛けている。また、検査件数が減少していることについて、エイズ動向委員会では「新型インフルエンザ流行で関心が低くなっているのでは」と危惧している。



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