社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年02月09日号

給与・労働時間が最大の減少を記録

厚生労働省は毎月勤労統計調査で、2009年の労働者1人当たりの月間現金給与総額は前年比3.9%減少の31万5164円となったと発表した。また、残業を含めた年間労働時間も前年比2.9%減少の1733時間となった。給与の減少率は1991年以来最大となり、労働時間も過去最大の減少率となった。08年秋以降の世界的な景気悪化が所得や雇用情勢に大きく響いたものとみられる。とくに、現金給与総額を消費者物価指数で割った実質賃金指数は、前年よりも2.6ポイント低下し、94.5となり、落ち込み幅は過去最大で、深刻な事態に陥っている。



最低賃金800円未満労働者は255万人

厚生労働省は民主党がマニフェストに盛り込んだ最低賃金800円(時給)を下回る賃金で働く労働者は、全労働者の8.8%を占める255万人であると発表した。最低賃金は労働者に支払わなければならない下限の賃金額で、09年度は全国平均713円だった。民主党は政権公約として、最低賃金を今後4年間で800円にし、さらに将来的には1000円に引き上げるとしている。このため、経産省と共同での「最低賃金引き上げ対策検討チーム」を発足し、中小企業の支援を含めた具体策を模索するとしている。公約の最低賃金800円を下回る内訳は、正規・非正規社員は約94万人、パートなどの短時間労働者は約161万人だった。



国債が税収を上回る事態の長期化懸念

財務省は歳出・歳入構造の見直しを進めない場合に国の財政は新規国債が税収を上回る異常な事態が長期化するとの試算をまとめ、国会に提出した。試算では、歳出削減や増税などの税制改革を進めずに放置した場合、2013年度には税収が約41兆円にとどまり、国債発行額は約55兆円にも達する可能性があると指摘している。社会保障費の自然増は避けられず、埋蔵金での予算編成にも限界もあり、財源不足という借金依存の財政からの脱却のために抜本的な健全化への道筋の提示が早急に求められている。



私大の約45%が赤字経営に陥る

日本私立学校振興・共済事業団がまとめたところによると、4年制私立大学を経営する学校法人(531大学法人)の44.3%(235法人)が2008年度決算で赤字に陥っていることが分かった。地方の小規模校に赤字法人が多く、地方と大都市での格差が一段と拡大している。世界的な金融危機で資産運用収入も17.6%も激減するとともに、有価証券の評価損などで生じた資産処分差額が急増している。同事業団では「少子化による激しい学校間競争に加えて、経済情勢が悪化しで授業料値上げも難しい状況にある。このため公的助成の増額を求める声が強まっている」と厳しい私学経営の実情を話している。



4月から医療費明細付き領収書を義務化

厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会は医療機関に対して、検査や薬剤などの名称と費用を明記した「領収書」を患者に対して4月から無料での発行を義務付けることにした。患者が医療の内容や費用を把握しやすくするのが狙い。明細書の発行が義務付けは、診療報酬を請求する明細書(レセプト)の電子化に対応できる、全国で約8800ある病院の9割と、約8万9千ある診療所の5割弱が対象となる。



米、3年連続で1兆ドル超の財政赤字

オバマ米大統領が発表した2011会計年度(10年10月から11年9月)予算教書で、財政赤字は1兆2670億ドル(約114兆円)となり、3年連続で赤字額が1兆ドルを超えた。11年度の財政赤字はGDP比で8.3%となる。雇用対策を最優先するため中小企業減税(1千億ドル)を行うものの、国防以外の支出の伸びを3年間凍結したり、120以上の事業を廃止・縮小するなどの歳出削減で財政健全化を図る姿勢も覗かせている。



1世帯の雑誌購入額は月376円に

総務省の家計調査によると、2009年7~9月に1世帯が雑誌・週刊誌購入で支出した金額は1カ月平均で376円だった。景気低迷に加えて、若者の雑誌離れが追い討ちをかけた恰好だ。10年前と比べると、約20%もの落ち込み。出版科学研究所によると、「男性向けのファッション誌や高級志向の女性向けファッション誌の落ち込みが目立つ」という。



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