社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年03月02日号

続く県民所得の地域格差

内閣府が発表した2007年度県民経済計算によると、1人当たりの県民所得平均は前年度比0.7%増の306万円になったことが分かった。1人当たりの県民所得は、働く人の賃金、企業の利益、利子配当の収入合計を県の人口で割ったもの。地域ブロック別にみると、四国と北海道・東北がマイナスに転じた以外はプラスとなった。県間のバラツキを統計的に示す変動係数は15.30(高いほど格差が大)で、02年度以降高い水準で推移してきている。内閣府では「県民所得のバラツキは高水準にあり、地域間格差の広がりが統計的に裏付けられた」との認識を示した。1人当たりの県民所得実額での1位は東京の454万円で、最下位の沖縄の205万円とでは、2.2倍の差があった。



働き盛り世代の賃金が大幅に減少

厚生労働省は2009年賃金統計調査で働き盛りの35-44歳の世代で平均賃金が大幅に減少したと発表した。最も年齢階級で減少幅が大きかったのは35-39歳の正社員で、前年比3.4%減の31万600円だった。次いで、減少幅が大きかったのは、40-44歳での3.1%減(35万3100円)。全正社員の平均賃金は1.9%減の31万400円で、3年連続の減少となる。世界的な景気低迷を背景に人件費抑制の動きが強まり、なかでも働き盛り世代にシワ寄せが及んでいるものとみられる。



消費者物価、17年ぶりの低水準に

総務省が発表した「2009年食料・エネルギーを除く消費者物価指数」(05年=100)は前年比0.7%下落の98.6となり、1992年の97.9以来の低水準にまで落ち込んだことが分かった。同指数は投機的マネーの影響に組みし易い原油価格や穀物価格を除き、需給バランスを反映した指数となっている。家庭用品や衣料品の一部は1970-80年代水準にまで落ち込んでいるなど、供給過剰による価格競争が一段と続いていることを物語っている。民間エコノミストの多くが「先行き3年間は供給過剰と需要不足から物価下落が続く」とみており、こうした需給ギャップは企業業績の悪化を招き、賃金・雇用にもさらに悪影響が及ぶと危惧されている。



経営悪化を背景に、労使紛争が急増

中央労働委員会は2009年に全国の労働委員会が調停やあっ旋を行った集団的労使紛争は前年比32.7%増加の733件に上ったと発表した。平成に入ってからは過去最多となる。リーマン・ショック以降の経営悪化が背景にあるとみられ、集団的労使紛争で賃金に関するものが346件と最多だった。次いで、経営・人事に関するものが313件で、このうち約6割以上が解雇に関するものだった。また、個人と使用者の個別関係紛争の斡旋件数も前年比20%増の534件で、2001年の制度開始では最も多かった。



広告費でインターネットが新聞を抜く

電通は2009年日本の広告費総額が前年比11.5%減少の5兆9222億円だったと発表した。媒体別の広告費をみると、テレビ(1兆7139億円)、インターネット(7,069億円)、新聞(6,739億円)、ラジオ(1370億円)の順となっているが、初めてインターネットが新聞を抜いた。広告費は、一昨年秋のリーマン・ショック以降、広告宣伝費削減の動きが全体で加速しているなか、携帯電話のモバイル広告やパソコンでの検索結果に応じて表示される広告が好調で、ネット広告の縮小幅を圧縮している。



中国、春節の売上高は17.2%増

中国商務省は2月13日から19日までの春節(正月)での大型連休中における全国の小売売上高は17.2%増加の3400億元(約4兆5千億円)になったと発表した。旺盛な消費ぶりを物語るもので、同省では「各地の小売店や飲食店がさまざまな販促活動を積極的に展開した結果」としている。雲南省では主要小売業の売上高が前年比34.5%増を記録し、安徽省での主なレストランでは売上げが48.3%も伸びたと報じている。



第一生命株主、史上最多の150万人に

東京証券取引所から4月1日の上場承認を受けた第一生命は、上場時の売り出し株数は710万株、そして保険契約者には290万株を割り当てる考えを明らかにした。株を受け取る契約者は150万人とみられ、これまで最多だったNTT(103万人)を大幅に上回り、史上最多の株式会社となる。上場時の想定価格は1株15万円になるとみられている。



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