社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年01月12日号

今春大卒者の約13万人が就職できず

就職情報サービス会社のディスコが文科省の学校基本調査などを基に推計したところ、今春大学を卒業する予定の学生のうち、約13万人が企業からの内定を取れずに就職できない実態にあることが分かった。こうした無業者は前年比6割も増加し、6年ぶりに10万人を超える見通しとなった。自動車などの製造業や金融業などの大手企業が新卒採用を大幅に絞り込んだためとみられる。同社では、「企業が大学卒業後3~5年間は新卒扱いにするなどの採用対象者の範囲を変えない限り、一度無業者になった若者は正社員になるのは難しい」と指摘し、「ロストジェネレーション(失われた世代)」を生むことへの危惧を示している。



年越したお札は9年ぶりの減少に

日銀は家計や企業、さらには金融機関の金庫で09年末に年を越したお札(日銀券)は前年末より0.6%少ない約81兆円となり、9年ぶりに減少したと発表した。景気低迷により個人消費が伸び悩み、年末年始の需要が膨らまなかったものとみられる。加えて、冬季のボーナス支給額も減るなどして、デフレでの経済萎縮状況を浮き彫りにした恰好だ。



09年交通事故の死者は5千人割り込む

警察庁がまとめた2009年の全国での交通事故死者数は4914人となり、1952年以来57年ぶりに5千人を割り込んだ。減少は9年連続で、厳罰化された飲酒運転の減少やシートベルト着用率の向上が挙げられている。死者数を都道府県別にみると、愛知の227人が最多で、北海道(218人)、埼玉(207人)が続いた。最少は33人の島根で、鳥取と佐賀が37人となっている。また、年齢別にみると、65歳以上の高齢者が死者全体の49.9%で、過去最高となった。



09年、離婚が増加し、婚姻は減少

厚労省の人口動態統計によると、2009年の離婚件数は25万3千組で前年より2千組増加した一方で、婚姻件数は71万4千組で前年より1万2千組減少していることが明らかになった。離婚は12年連続の増加で、離婚率は2.01となった。離婚の増加は政府支援が必要な母子・父子家庭の増加で財政への圧力要因となるとともに、婚姻減少は少子化を加速させる要因ともなる。



親を介護する中高年、「神経過敏」に

厚生労働省が53~62歳の中高年者を対象にした調査で、親など介護している人の64.7%が「神経過敏に感じた」などのストレスを抱えている実態が明らかになった。介護している人が感じるストレスでは、「気分が沈みこみ気が晴れない」(57.1%)、「落ち着かなく感じた」(51.3%)、「絶望的だと感じた」(35.1%)などが挙げられた。介護をしていない同世代の人よりも前記のストレスは10~20%も高く、同省では「精神的なケアを含めて介護をする人たちにも向けた対策が必要だ」と指摘している。



後継者を決定した中小企業は4割弱

日本政策金融公庫が行った中小企業の事業承継に関する調査によると、「既に後継者を決めている」のは38%にとどまり、「未定企業」は30%、「自分の代で廃業予定」は11%と後継難を指摘する中小企業が多くなっていることが分かった。とくに、「自分の代で廃業する」とするとした小企業は20.5%と中企業を大幅に上回っており、小企業での事業承継が依然深刻な実態を覗かせている。



日本の国債発行伸びは日米欧で突出

 英バークレイズ・キャピタルが日米欧主要国の2010年の国債発行を暦年ベースで推計したところ、日本の国債発行は前年比23%増で、米国の同19%増、ユーロ圏の同5%増を上回る最大の伸び率になることが分かった。2010年の世界経済も景気回復が鈍調で、これまでの景気刺激策による財政赤字が好転する基調にはなく、国債発行による財政運営が続くとみられる。金融市場では「債権の供給増加観測から米国などの長期金利が跳ね上がりかねない」との懸念の声がある。



結婚式費用は平均331万円

 結婚情報誌・ゼクシィの調査によると、2009年の結婚式・披露宴の平均費用は331万円で、前年比4%増えていることが分かった。不況下にありながら、結婚は別格として思い切って支出しているものとみられる。とくに、晩婚化の傾向にあって、新郎新婦の収入が比較的高いことに加えて、経済的に余裕のある両親が援助していることなどから費用が上昇している。また、披露宴の招待客数は74人と05年から横ばい状態を考慮すると、1人当たりの経費が増えている。新婚旅行を含めた結婚全体での費用は433万円となっている。



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