社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年01月05日号

急増する日本の米国債保有

2009年10月末現在における日本の米国債の保有額は7465億ドルとなり、前年同月比で18.6%もの急増ぶりとなっている。世界最大の米国債保有国である中国の7989億ドルに肉薄する。急増する背景には、日本の金融機関が高い利回りと安定的な投資先とみて米国債購入を拡大していることが挙げられる。しかし、その一方で、米国の財政悪化で長期金利上昇とドル安の圧力から米国債投資を危ぶむ向きも少なくない。



09年、世界の株価は26%上昇

米MSCIが算出した世界株指数によると、09年末は前年比26.4%上昇し、これまで最高だった1999年(前年比28.0%上昇)以来10年ぶりの高い伸びとなったことが分かった。08年は金融危機により過去最大の下げ(前年比約40%)を記録していた。世界的な株価の急回復について、第一生命経済研究所は「経済危機対策に世界各国が同時に取り組んだことが奏功した」と分析している。ただ、日経平均は18%高にとどまり、世界主要20市場で最も上昇が鈍いものとなっている。



1人当たりのGDPは世界19位に

内閣府は2008年度の国民経済計算確報で、1人当たりの名目国内総生産(GDP)は387万円になったと発表した。前年度比4.1%の減少となり、6年ぶりに減少に転じた。また、1人当たりのGDPを経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国で比較すると世界19位で、1993年の2位をピークに下降を続けている。日本の08年度国民所得は金融危機で企業所得が23.3%も減少したことが影響して、前年度比7.1%減の351兆円となり、1955年度統計開始以来で最大の落ち込みを記録した。



世界粗鋼生産量は24.2%も増加

世界鉄鋼協会は09年11月の世界粗鋼生産量(66カ国・地域)が前年同月比24.2%増の1億748万トンになったと発表した。世界最大の生産国である中国が37.4%増加したのを筆頭に、米国(前年同月比26.9%増)、韓国(同7.5%増)、インド(同4.7%増)と改善の兆しが出てきた。08年の金融危後の落ち込みへの反動や世界各国の景気対策、新興国への輸出増などでプラスに転じている。日本は0.5%増の微増にとどまっている。



2011年新卒採用、「不明」企業が急増

リクルートの研究機関であるワークス研究所が従業員5人以上の全国の民間企業を対象にした採用実態調査によると、2011年春卒業予定の新卒採用計画は「わからない」とする企業が36.6%にも達し、前年の25.1%から大幅に増加していることが分かった。同研究所では「景気動向が読めずに、採用判断を保留する企業が増えている」とみている。採用について「増える」と答えた企業は5.5%(前年8.3%)にとどまり、「減る」は9.3%(同15.7%)だった。景気が回復に進むのか二番底に陥るのかを見極めにくいため、企業の多くが採用姿勢を保留している実態が伺える。



国内乗用車生産、14ヶ月ぶりに増加

国内乗用車8社が発表した11月の国内生産実績は83万台と前年同月比1.2%増となり、1年2ヶ月ぶりにプラスに転じたことが分かった。エコカー減税効果で新車販売が増えたとみられる。しかし、8社合計は国内生産が順調だった07年11月の102万台と比較すると2割ものの減少水準にとどまっており、本格回復までには至っていないのが実情だ。



紙・板紙出荷量落ち込み、過去最大に

 日本製紙連合会が発表した2009年の紙・ダンボール原料の板紙の国内出荷量が前年比12.8%減の2555万トンになるとの見通しを発表した。落ち込み幅は統計開始の1961年以来で最も大きいものとなった。広告宣伝費削減で印刷用紙などの需要が大幅に落ち込んだものとみられる。14ヶ月連続での前年割れが続いている。



公立高での授業料減免は10人に1人

 文部科学省の調査によると2008年度に都道府県から授業料減免を受けた割合は10.1%に上り、過去最高となったことがわかった。減免対象の公立高の生徒数は23万人で、その内訳は全日制で21万人、定時制で1.8万人、通信制で0.2万人となっている。定時制での減免割合は20.6%にも達した。都道府県別にみると、減免割合が高かったのは鳥取(23.3%)、大阪(17.6%)、福岡(15.9%)となっている。同省では「経済情勢の厳しさから今後も好転する気配はなく、早急な支援が必要だ」としている。



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