社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年12月15日号

景気対策打ち切りで長期失業4300万人

09年の世界の失業者数が2億4100万人に達すると予測している国際労働機関(ILO)は、世界の主要国が景気刺激対策を早期に打ち切る場合、長期失業者数は4300万人増加すると発表した。長期失業は1年以上も就職活動を行うものの就職先が見つからない状態をいい、長期失業者は生活悪化を伴い、個人消費など経済への影響が深刻に作用しやすいと指摘しつつ、財政・金融政策を平時に戻す出口戦略を模索する先進国に対して、景気刺激策を継続するようメッセージしている。



65歳以上の入院患者、15年ぶりに減少

厚生労働省の調査によると、2008年10月時点での全国の入院患者数の推計値は139万2400人で、前回調査の05年から7万400人減少していることが分かった。このうち、全体の約66%を占める65歳以上は93万1400人で、前回より0.65%減少し、15年ぶりに減少に転じた。5歳ごとの年齢別にみると、80―84歳が最も多く、75―79歳がこれに次いだ。同省では、「新薬開発や医療技術が向上したのに加え、在宅医療などへのシフトが進んでいる」とみている。都道府県別の人口10万人当たりの推計入院患者数で最も多かったのは高知県の2191人で、神奈川県は705人で最も少なかった。また、推計患者の平均在院日数は35.6日で、前回より1.9日短縮している。



7割の高校で来春の就職を断念

日本高等学校教職員組合の調査によると、全国の7割以上の高校で来春3月卒業予定の生徒が就職を断念していることが分かった。10月時点での就職内定率は59.6%で、前年同期より15ポイントも大幅に減っている。同組合が28都道府県・403校を対象に就職実績を調査したところ、進路変更に関する質問で回答のあった296校のうち、就職から進学に進路変更した生徒がいたのは73.9%にあたる219校にも上った.同組合では、「求人がなく、やむを得ず職業訓練校などに進むケースが目立つ」と指摘している。



EU、気候変動よりも貧困が深刻

欧州連合(EU)の欧州委員会が行った世論調査で、EU市民に「世界の最も深刻な課題」を尋ねたところ(複数回答)、「貧困」をあげた人が全体の69%を占めたことが明らかになった。「気候変動」は47%にとどまり、貧困が大きく水をあけた恰好になった。世界的な失業率上昇によって、貧困問題への関心が高まってきていることを裏付けた。



42.8%が必ずしも子供持つ必要無し

内閣府の男女共同参画社会に関する調査によると、成人男女の42.8%が「結婚しても必ずしも子供を持つ必要はない」との考えに賛成を示していることが分かった。男性が38.7%、女性が46.4%で、女性にその傾向が顕著だった。年齢別に賛意を示しているのをみると、20代が63%、30代が59%と、過半数を占めた。また、「結婚しても、しなくてもよい」との意見に賛成する人の割合は70.0%に達し、「結婚しても相手に満足できないときは離婚すればよい」に賛成は50.1%となった。結婚観に関する意識も隔世の感は否めない。



ハイブリッド車比率は1割に迫る

自動車業界団体が発表した11月の新車販売ランキングによると、トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」が2万6千台を超え、6ヵ月連続で首位をキープしたことが分かった。エコカー減税や新車購入補助金などの支援策を支えに燃費性能が高いハイブリッド車の人気が続き、11月の新車そう販売台数に占めるハイブリッド車比率は9.7%になった。一方、軽自動車は政府支援の恩恵が小さいことなどから苦戦を強いられ、11月の新車販売台数上位に入った4車種のうち3車種が前年割れとなっている。



葉の気孔を増やすホルモンを究明

京都大の西村教授は、植物の葉や茎の表面にある「気孔」の数を増やすホルモンを究明した。ストマジェンと呼ばれる植物ホルモンで、若葉が出来る際に与えれば、気孔の数が増え、CO2吸収能力が向上とともに、光合成も活発になり、成長を促進させることが可能となる。この植物ホルモンは人工合成も可能で、環境問題や食糧問題の解決にも寄与するとの期待も高まっている。



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