社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年12月01日号

「日本経済はデフレ」と政府が認定

11月の月例経済報告で政府は「緩やかなデフレ状況にある」と認定した。2006年6月以来、3年5ヵ月ぶりの政府認定。その認定理由として、①消費者物価指数(CPI)の下落が続いている、②名目成長率が2四半期連続で実質を下回った、③年40兆円規模の大幅な需要不足に陥っている、との3点を指摘した。とくに、物価変動を反映して景気の実感に近い名目国内総生産(GDP)は6四半期連続でマイナスとなり、金額ベースでは年換算で479兆円と500兆円を割り込んだ。また名目雇用報酬も254兆円と、GDPとともに1992年並の水準に落ち込み、今後法人税・所得税・消費税等の税収の大幅な減少影響を招き、財政の悪化危惧も高まってきている。



普通国債発行額は過去最大を更新

政府の2010年度の国債発行計画で、新規国債と借換債を合わせた普通国債の発行額が初めて140兆円を超える見通しであることが分かった。内訳は、これまで発行した国債の償還・返済に充てる借換債が100兆円規模に膨らみ、新規国債も税収不足を反映して44兆円規模となるものと見られている。とくに、借換債はこの6年連続90兆円台で推移してきたが100兆円台に膨らみ、今後の長期金利の上昇によっては利払い補給が増加し、雪ダルマ式に膨張しかねない。しかも、過去最大を更新する国債発行によって、国債暴落(長期金利は上昇)が危惧される懸念があり、国債市場や国内経済への深刻な影響をもたらしかねない。



大人にも「学力測定」を実施へ

文部科学省は経済協力開発機構(OECD)が行っている「国際成人力調査」に日本も参加することを発表し、2011年から成人を対象とした読解力や数学力を測定することになった。同省の発表によると、16―65歳の成人を無作為抽出し、「読解力」「数学力」「ITを活用した問題解決能力」について、調査員が示すパソコン画面を見ながら回答するもの。調査はOECD加盟25カ国が参加し、学力測定と併せて、学歴や収入も尋ねるとしている。調査結果は各国の教育政策に反映される。



2年間で、夫婦の小遣いも大幅ダウン

明治安田生命保険の調査によると、夫婦の小遣いの平均額がこの2年間で大幅にダウンしていることが分かった。夫の小遣いは2年前と比べて14%減の3万5299円に、妻は33%減の2万1057円だった。「リーマンショックが夫婦の小遣いにも大きく影を落とした」と同社では分析している。また、自宅での夕食や晩酌の回数が増えたとする人は19.5%に上り、同社では「夫婦で一緒に夕食を食べる日数が多いほど、愛情を感じる傾向があることが調査結果に出た」としている。



7割が「運動不足を感じる」

内閣府の体力・スポーツに関する世論調査結果によると、「運動不足を感じる」と答える人が3年前の調査から6.3ポイント増加の73.9%に上ることが分かった。この1年間で運動やスポーツを「行った」と答えた人は77.7%で前回よりも3.2ポイント上昇した。その種目ではウォーキングが最多の48.2%、次いで「体操」(26.2%)、「ボウリング」(15.7%)となった。



失業手当の給付件数、急増

本年4月~9月までの雇用保険の失業手当給付件数は133万7690件で、前年同期比29.5%も急増していることが分かった。昨秋の金融危機以降13ヶ月連続で前年同月実績を上回って増え続け、10月以降は本年3月末の雇用保険法改正によって適用対象となった人の受給が始まるため、さらに増加傾向が強まるとみられ、09年度の雇用保険の収支不足は7952億円に上る見通しにある。



高年齢者虐待は12.2%増加に

厚生労働省の調査によると、2008年度、自治体に「高年齢者を虐待している」との通報や相談があったケースのうち、自治体が訪問調査を行った結果、「虐待を受けている」と判断したのが約1万5千件だったことが分かった。前年度より12.2%の増加。虐待のケース(重複あり)は、暴力の「身体的虐待」(63.6%)が最も多く、言葉などの「心理的虐待」(38.0%)、面倒を見ない「介護等放棄」(27.0%)、勝手に財産を使う「経済的虐待」(25.7%)が続いた。虐待をする人は「息子」(40.2%)が最多で、「夫」(17.3%)、「娘」(15.1%)となっている。虐待での死亡も24人あった。



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