社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年11月10日号

IMF、日本の財政赤字に警鐘

国際通貨基金(IMF)が発表した主要20カ国・地域(G20)の財政見通し報告書によると、2009年の日本の財政赤字は国内総生産(GDP)比で10.5%となり、5年後の2014年では8.0%に達し、財政赤字が加速するとの懸念を表明している。日本の財政赤字は拡大し続け、政府債務残高も2009年にGDP比218.6%だったものが、5年後の2014年には同245.6%まで膨れ上がるとIMFでは予測している。同報告書では、財政赤字がGDP比で1%増加すると、長期金利を0.2ポイント以上上昇させると試算し、長期金利上昇で国債の利払い負担が増加し、債務は雪ダルマ式に膨れ上がりかねないと指摘している。



給与は16ヵ月連続で減少に

厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、従業員1人当たりの現金給与総額は本年9月まで16カ月連続で減少していることが判明した。昨年6月から下落に転じ、今年6月には前月比で最大の7.0%もの落ち込みを記録し、9月には前月比1.6%と減少幅に一服感があるものの、一段の景気悪化によっては、さらに賃金が減る事態も想定される。16カ月連続での賃下げによって、消費低迷を招き、企業収益の悪化という負のスパライラル循環で、デフレを加速しかねない恐れがあり、雇用環境に対する細やかな政策発動が早急に求められる。



必要は認識しつつも、低調な「がん受診」

内閣府が行った「がん対策に関する世論調査」によると、早期発見・治療のためにがん検診を97.4%の人が「重要と思う」と答えているものの、実際に過去2年以内にがん検診を受けた人は3―4割程度にとどまっている実態が明らかになった。2年以内にがん検診を受けた人は、「肺がん」が42.4%で最も多く、次いで「胃がん」(38.1%)、「子宮がん」(37.2%)、「大腸がん」(34.6%)が続いた。受診しない理由を尋ねたところ(複数回答)、「たまたま受けていない」「心配な時はいつでも医療機関で受診できるから」「健康状態に自信があり、必要性を感じないから」などが挙げられた。



年次有給休暇取得、1人平均8.5日

厚生労働省の調べによると、昨年1年間の正社員1人当たりの年次有給休暇の平均取得日数は前年比0.3日多い8.5日だったことが分かった。取得率は47.4%で前年から0.7ポイントの微増にとどまったが、同省では「仕事と家庭を両立させようという意識が高まっている」とみている。業種別の取得率は、「電気・ガス・熱供給・水道業」が74.4%と最も高かった一方、「宿泊・飲食サービス業」は29.4%で最も低かった。企業規模別にみると、1千以上が53.7%だったのに対して、30―99人では40.0%で、規模が小さいほど取得率は低くなっていた。



絶滅危惧種は1万7千種を超える

国際自然保護連合(IUCN)が発表した2009年版絶滅危惧種リスト(レッドリスト)で、絶滅の恐れがある生物が1万7291種に達すると発表した。環境汚染や乱獲などが原因で、前年より363種増えた。絶滅危惧種の数は、調査対象となる全4万7677種の約36%にまで及んでいる。同連合では、「このままでは2010年に生物多様性の損失速度を顕著に減らすという目標は達せられず、各国政府が種の保護を真剣に考える時が来た」と警告を発している。



上期の法人税収、初めてのマイナスに

財務省は2009年度上期(4~9月末)における一般会計税収は前年同期比24.4%減収の10.9兆円となり、このうち法人税収は還付超過により1.3兆円の赤字に陥ったと発表した。9月末時点での法人税収のマイナスは1960年度以降で初めて。同省では、10月以降の下期は法人税収が増加すると見込むものの、企業業績の落ち込みで、当初予算の10.5兆円の半分程度(約5~6兆円)になるとみている。09年度の一般会計税収も30兆円台まで落ち込み、国債の増発は避けられそうにない。



開業医年収は勤務医の1.7倍に

厚生労働省が行った病院や診療所の経営状況を調べた医療経済実態調査によると、診療所を経営する開業医の平均月給は208万円、病院の勤務医は123万円で、1.7倍の格差があることが明らかとなった。08年度の診療報酬改訂で病院への配分を厚くして勤務医の確保のために給与引上げが行われたものの、前回調査の1.8倍の格差は僅かな縮小にとどまり、抜本改革が求められている。



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