社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年09月15日号

金の価格、国内外で上昇

金の価格が国際価格の指標となるニューヨーク先物相場が半年ぶりに1トロイオンス当たり1000ドルを突破し、史上最高値となった2008年3月中旬の1014.6ドルに迫る勢いとなっている。これにつれて、我が国国内での価格も9月以降上昇してきている。金の価格は「無国籍通貨」とも言われ、ドル相場下落局面で上昇するといった傾向にあり、今後米国経済の低迷や国際的なドル信頼が揺らぐこともあると、さらに金価格は上昇すると見る向きは多い。また、今回の金価格上昇の背景には、ドルの先安感加えて、オイルマネーやファンドなどの投機マネーの流入も指摘されている。



建設業向け融資、25年ぶりの低水準に

日銀の統計によると、今年6月末の建設業向け貸出残高は13兆5309億円となり、1999年9月末から前年同月比で依然として減少が続いていることが明らかになった。建設業の倒産が過去最多を記録した19984年以来、25年ぶりの水準となっている。貸出しピーク時だった95年12月の32兆2千億円と比べ、13年半で58%も減少している。低調な背景には、2007年に改正建築基準法が施行されて以降、貸出しに慎重な銀行が融資審査に厳しさが増したことや、新設住宅着工建設の大幅な減少に見るように、新規の資金需要が減少したことが挙げられる。今後、公共事業の大幅削減も予測され、建設業界は一段と厳しい環境は避けられそうにない。



上場企業の役員報酬、公表を義務付け

金融庁は、20カ国・地域(G20)財務省・中央銀行総裁会議で合意した金融機関幹部の報酬制限の指針策定に基づき、2010年3月期から上場企業に対し、役員報酬の公表を義務付ける方針を固めた。現在は任意になっているが、有価証券報告書で、役員報酬総額に加えて支払い形態や報酬額の決定方法について掲載するよう求めている。また、同庁では、来年度以降、役員の個別報酬の公表を義務付けることも検討するとしているが、企業の抵抗もあり、導入は流動的だとみられる。



生活保護支給増加に伴い、不正受給も

厚生労働省の集計によると、2007年度生活保護の総支給額は2兆6174億円となり、10年前より約1兆円増加している実態が明らかになった。その一方で、不正受給事案も増え続け、07年度は約1万6千件にも上り、5年前より約2倍も増加していることが分かった。不正受給の内訳をみると、働いた収入もありながら無申告・過少申告のケースや、年金収入の無申告などが多かった。また、最近はホームレスの人を一時的に住まわせるなどして生活保護費を詐取するなどの刑事事件に至る悪質なケースも増えている。同省では「生活保護の申請増加に比例して今後不正受給も増える恐れがある」と警戒感を強めている。



延びる耐久消費財の買い替え年数

日本経済新聞社が行った「耐久消費財買い替え実態調査」によると、調査対象とした全ての品目で買い替えまでの年数が長くなっている実態が分かった。最も長い冷蔵庫は9.9年で、08年時点調査よりも0.9年延びている。買い替え年数が最も延びたのは、薄型テレビ(8.6年)、洗濯機(9.5年)と、08年調査時点より1年も延びている。同社では「景気低迷の影響で、手持ちの製品をできるだけ長く使おうとする意識が強まっている」と分析している。ただ、今後購入したい製品では約半数近くの人が薄型テレビを挙げており、同製品はエコポイント制度を追い風に買い替え年数は短くなる可能性が高いとしている。



教育への公的支出は世界27位

経済協力開発機構(OECD)は、主要28国の国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出割合を比較した2006年報告で、日本は3.3%で、順位では27位に止まることが判明した。前年も最下位となっており、低迷が続いている。各国平均は4.9%で、最も公的支出割合が大きいのはアイスランド、デンマーク、スウェーデンなどの北欧諸国となっている。公立高校無償化を掲げる民主党政権で公的支出が一気に高まる可能性が出てきた。



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