社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2009年07月28日号

協会けんぽの初決算、326億円の赤字

旧政府管掌健康保険(政管健保)から移行した全国健康保険協会管掌保険(協会けんぽ)として初めての決算となった2008年度決算は、当初の黒字見込み予算額984億円から一転、326億円の赤字となったことが明らかになった。景気悪化により中小企業の社員の給与・賞与が低迷したのに連動して保険料収入が想定を大きく下回ったことや、医療費が膨らんだことによるもの。財政悪化時に備える準備金も08年度末で約2100億円と脆弱で、早期に枯渇する可能性があり、現行の保険料率(8.2%)の引上げや税金投入の拡大を早晩迫られかねない。



ガソリンスタンド、減少数が過去最大

資源エネルギー庁によると、2009年3月末時点での全国ガソリンスタンド数は42090ヵ所となり、前年度より1967ヵ所(4.5%)減少したことが分かった。スタンド数は14年連続で減少し続けてきており、昨年度の減少数は過去最大となった。最多だった1994年度に比べ3割も減少。減少は、昨年前半に原油高騰により、スタンド経営の環境が悪化し、倒産や自主廃業が相次いだことによるもの。昨年4月のガソリン暫定税率が失効する際に、消費者の買い控えで割高となった在庫を安値放出したことも経営悪化に一段の追い討ちを掛けたものとみられる。



08年度医療費は過去最高の34兆円に

厚生労働省が発表した2008年度の概算医療費は過去最高となる34兆1千億円に上ることが明らかとなった。概算医療費は、国民医療費から全額自己負担の医療や労災医療費などを差し引いたもので、国民医療費の98%程度とみられ、医療費の速報値的な意味合いを持ち、前年度より6千億円増加している。延べ患者数は前年度より1.3%減少しているものの、医療の単価を示す1日当たりの医療費は3.2%増加しており、医療技術の進歩が費用を押し上げている。また、年齢別にみると、70歳以上が全体の43.5%を占め、高齢化の進展が医療費を押し上げている構図を浮き彫りにした。国民1人当たりの医療費は26.7万円だが、70歳以上は75.7万円、75歳以上の後期高齢者になると86.3万円となっている。



「日本の経済力は良い」が37%に激減

文部科学省所管の統計数理研究所が行った「日本人の国民性調査」によると、日本の経済力について「非常に良い」「やや良い」と回答した人の割合は、37%と過去最低になることが判明した。同調査は1953年以来5年毎に行われている。人々の生活は今後どうなるかを尋ねたところ、「貧しくなる」が57%で、「人間の自由は減る」が40%で、いずれもが過去最多となった。一方、社会への不満を「選挙の投票で考慮する」という向きも55%あり、過去最多を更新した。将来への不安が増す傾向が浮き彫りとなっている反面、一番大切なものが「家族」との回答が46%あり、また「人のためになることをしたい」という割合も20代で43%、30代で52%といずれも過去最高となり、人間関係を通じた精神の充足を望む姿勢も示された。



中小向け低利融資、前年同期比4.5倍に

日本政策金融公庫が行っているセーフティネット貸付の2009年4―6月期貸し付け実績が前年同期比4.5倍の1兆5700億円に上ることが明らかになった。同制度は、中小企業向けの低利貸し付けで、中小での資金繰りが依然厳しい実態にあることを浮き彫りにした形だ。通年、年度末の3月を過ぎると資金需要は一服するが、今年4月の貸し付け実績前年実績は前年同月比で約6倍にも達するなど、利用が増え続けている。



平均寿命、男女とも過去最高を更新

抗生労働省の「2008年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は、女性が86.05歳、男性が79.29歳となり、男女ともに過去最高を更新したことが分かった。前年より、女性が0.06歳、男性も0.1歳寿命が延びている。女性は24年連続で長寿世界一となり、男性は前年の3位から4位に下がっている。平均寿命が延びていることに、同省では「高齢期をどのように生きるか、という課題のウェートが高まってきている」と指摘している。



携帯ビジネス市場が17%も拡大

総務省は2008年の携帯電話ビジネス市場が1兆3524億円に達し、前年より17%も拡大したと発表した。携帯電話事業者からの情報提供や聞き取り調査によって市場規模を算出したもので、着うたやゲームなどのコンテンツ利用の伸びに加え、チケット予約や証券取引なども大幅に拡大してきている。



トップへ