社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年08月04日号

国の債務超過額は282兆円に増加

財務省が公表した2007年度の国の貸借対照表によると、負債が資産を上回る、いわゆる「債務超過」は前年度より3兆8千億円増えて、282兆9千億円となることが明らかになった。07年度の資産は貸付金など目減りし977兆8千億円となり、一方の負債は新規国債と短期証券が増えて977兆8千億円となっている。独立行政法人や特殊法人など214法人を加えた連結ベースでの債務超過額は国単体の債務超過よりは幾分圧縮され、271兆1千億円となっているものの、一段と財政状況は悪化している実情を浮き彫りにしている。



自動車関連企業の倒産が50%超増加

帝国データバンクは、本年1―6月における自動車関連企業の倒産件数は273件に達し、前年同期比で50.8%増と大幅な増加になったと発表した。業種別にみると、中古車販売の卸・小売業が半数近い131件で最も多く、次いで、2次下請け以下の部品メーカーが93件となっている。昨秋以降の景気悪化により車の買い替え消費が急速に減退するとともに、自動車メーカーでの大量減産によって、中古車販売業者や部品メーカーの経営を直撃したとみられる。自動車メーカーでの在庫調整が進み減産緩和の動きがあるものの、同社では、「本格回復には時間を要し、関連業者の倒産は増加基調で推移する」とみている。



空き家率は過去最高の13.1%に

総務省が発表した2008年の住宅・土地統計調査によると、人が住まない空き家数は756万戸に及び、住宅全体に占める空き家率は過去最高の13.1%に達したことが分かった。昨年10月1日現在での住宅数は5759万戸で、5年前の調査より6.9%増加しているものの、空き家数は同14.6%と大幅に増加し、空き家が増えている実態を浮き彫りにした。都市部への人口流出によって、地方を中心に使われない家屋が増えている。空き家率を都道府県別にみると、山梨県の20.2%が最も高く、5件に1件は空き家という計算になる。長野県の19.0%、和歌山県の17.9%が続いた。



自殺者数、過去最悪のペースで進む

警察庁のまとめによると、今年1―6月に全国での自殺者数は1万7076人に上り、各月とも前年を上回る実勢にあることが判明した。自殺者数は昨年まで11年連続で3万人を超え続けており、今年は過去最悪を記録した2003年の3万4427人を超えかねない実態にある。都道府県別に前年同期から増加率が最も大きかったのは沖縄県が51.3%増で、次いで30.2%増の山口県、21.6%増の高知県となっている。NPO法人自殺者対策支援センター・ライフリンクでは、「このままでは年間の自殺者数が過去最悪になりかねない」と指摘した上で、「経済的要因で追い込まれる人が多い」と分析、「政府や行政が連携して生活やメンタルヘルスの支援を受けられる対策を」と訴えている。



裁判員、「選ばれたら行く」が71%

内閣府が実施した「裁判員制度に関する世論調査」によると、裁判員候補者に選ばれたら「裁判所に行く」と答えた人の割合は、3年前の調査から6.2ポイント増加の71%に達することが分かった。また、裁判員裁判に対する要望を聞いたところ(複数回答)、「素人にも分かりやすい裁判にしてもらいたい」(75.4%)が最も多く、「裁判所に行く日数を少なくしてもらいたい」(48.5%)、「丁寧に対応してもらいたい」(41.9%)などが挙げられた。



企業内失業600万人の失業懸念が

2009年度の「年次経済財政報告」(経済財政白書)によると、日本経済は過去に例のない急速な景気悪化に陥ったものの持ち直しの動きがあると指摘しつつも、企業内失業が最大600万人規模に拡がり、失業増大による景気下振れリスクがあるとの懸念を指摘した。同報告書では、企業活動の水準に見合った社員の過不足から割り出した雇用保蔵(企業内失業)は、1-3月期に全産業で528万―607万人となり、1980年代以降で最大になったとの試算結果を示し、今後、雇用調整で失業に向かうことでの先行きリスクが危惧されるとしている。



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