社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年07月15日号

来春までに失業率5.7%へ上昇

内閣府の外郭団体である経済企画協会が行った「ESPフォーキャスト調査」によると、1年後の2010年4―6月期の完全失業率は過去最悪の5.7%まで上昇するとの予測を発表した。本調査は、金融機関やシンクタンクなどの民間エコノミスト36人に経済予測を聞き取り調査したもの。実質国内総生産(GDP)は09年4―6月期が年率換算で1.98%のプラスに転じるものの、企業における採用抑制傾向は収まらずに、11年1―3月期まで5.5%前後で推移するとの予測結果となっている。また、消費者物価指数については、09年4―6月期が0.99%減となり、続く7―9月期は2.07%となり、大きく落ち込んでいくとの予測を示した。



戦後初、予算が「借金」が「税収」を上回る

来年度予算が当初予算から「借金」が「税収」を上回るという戦後初めての事態に陥る可能性が出てきた。景気低迷による税収の落ち込みによるもので、今秋に予定されている09年度第2次補正予算で税収見通しを46兆円から下方修正することが確実視されており、2年連続で国債発行による「借金」が「税収」を上回ることになる。税収は名目成長率がマイナスと予測されており、1980年代半ばの30兆円台水準まで落ち込むとの予測もあり、厳しい予算編成は避けられそうにない。国債の大量発行が続けば、長期金利の上昇を招き、さらなる景気失速を呼び込み、悪循環となりかねない。



上半期の企業倒産、6年ぶりの高水準

東京商工リサーチは09年上半期(1―6月)の企業倒産件数は前年同期比8%増加の8169件に上ったと発表した。上半期ベースでは4年連続の増加で、6年ぶりの高水準となっている。業種別にみると、最多の建設業は1%減少した反面、製造業(31%増)や不動産業(25%増)が増えている。また地域別では、北海道(7%減)、東北(13%減)、九州(16%減)といった公共事業依存の地域や業種での下げ止まり感が見られるものの、製造業などが多い関東(18%増)や近畿(12%増)では増加している。6月は前年同月比7%増加しており、先行き不透明感が拡がり出している。



雇用の過剰感は業種で格差が

日銀の6月企業短期経済観測調査によると、雇用の過剰感は業種によって大きな違いがあることを浮き彫りにした。雇用人員DIは「過剰」と答えた割合から「不足」と答えた割合を差し引いた値で、大企業製造業全体では前月比2ポイント改善の33となっている。業種別にみると、自動車が63で前月比15ポイントもの大幅な改善を示す一方、鉄鋼が11ポイント悪化の54、造船・重機も10ポイント悪化しており、業種間の違いが大きく際立っている。改善が進んだ業種は、在庫調整が進むとともに輸出が上向いてきたものとみられる。



全国の小中校に太陽光発電を導入

政府は、2020年度までに全国の公立小中学校に太陽光発電を導入する方針を固めた。温暖化ガス削減策の一環と児童・生徒の環境教育を狙いとしたもので、約3万2千校に導入し、発電した電力は学校で使用すると同時に、余剰電力は売電する考えだ。想定している太陽光パネルは20キロワット型で、8―10教室分の蛍光灯が1日点灯できる電力使用量に相当する。全国での導入に当たっては6千億円―9千億円の費用を要するものとみられる。



4割の高齢者に新型インフルの免疫が

国立感染症研究所の調査によると、豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザのウィルスに対して、日本人の高齢者の4割は免疫持っている可能性があるとの結果を明らかにした。今春流行した新型インフルエンザのウィルス(H1N1型)が過去に流行していた可能性があり、高齢者は免疫を獲得しているものとみられる。感染研は高齢者(平均年齢83.4歳)と若者(同27.8歳)の血液検査したものだが、高齢者の40%が抗体を保有していた。



57%がクールビズを実践

内閣府が行った「クールビズに関する世論調査」によると、職場で実践していると答えた人は2年前の調査から10.4ポイント上昇の57.0%に達していることが分かった。ただ、実践していない人も4.7ポイント増加の34.1%に達しており、政府の政策目標としている64―68%までの道程には厳しさも浮き彫りにした。環境省では、「達成には職場に限らず、公共空間などでの対策が必要だ」としている。



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