社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年06月23日号

家計の金融資産、2年連続減少

日銀は、2008年度末の資金循環統計で、家計が保有する金融資産の残高が前年度末比3.7%減少の約1410兆円になったと発表した。2年連続の減少で、家計の金融資産は07年度末比で約54兆円が減少した。昨秋の金融危機以来、株式などのリスク資産の価値が大きく目減りしたもので、株式は前年度末比33.5%減の79兆円、投資信託は25.1%減の47兆円となっている。最近は、製造業を中心とした改善が進み、株価も回復してきており、金融資産残高の減少には歯止めがかかっていくものと見る向きも出てきている。



原子力発電割合を40%に引上げを

経済産業省がまとめた原子力発電の推進強化策によると、2007年度で25%の原子力発電比率を2020年までに40%程度まで引き上げる方針を打ち出した。エネルギーの安定供給と地球温暖化対策において原発抜きでは不可能との認識のもとに、基幹電源として原子力発電は大きな役割を担う必要があるとの見解を示し、総合資源エネルギー調査会原子力部会でも了承された。このため、08年度で60%にとどまる国内の既存の原子力発電の設備利用率を主要国並みの80―90%に高めていくとしている。同省は、設備利用率向上の前提として、安全性を確保する必要があり、今後案税制確保に向けた検討も行うとしている。



賃上げ額、5年ぶり低下の5758円に

日本経団連が東証1部上場の従業員数500名以上の企業を対象にした、本年の春季労使交渉結果の最終集計によると、定期昇給とベースアップを合わせた賃上げ額は平均で前年を513円下回る5758円だったことが判明した。5年ぶりに前年を下回った。製造業が5693円、非製造業が6139円で、昨秋の世界同時不況で輸出関連の自動車や化学などの製造業が振るわなかったものとみられる。賃上げの多くはベースアップではなく定昇分とみられる。経団連では、「厳しい業績冷え込みの中でも定期昇給などで賃金は上がった。企業側は賃金全体を調整する傾向にある」と、不況下の賃上げ事情を分析している。



世界の食料生産、2030年まで4割増産を

経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)が発表した「2009年版農業アウトルック(見通し)」によると、新興国での人口増加に伴う食料需要の増大に応えるためには、世界の食料生産を2030年までに現在の4割増産、2050年までには7割増産が欠かせないとの予測を示した。このため、新たな農地開拓が不可欠であり、現在の約14億ヘクタールから、南米やアフリカを中心に約15億ヘクタールもの上積みが可能だとの分析結果を示している。また、アウトルックでは、今後10年間の農産物の価格は2我程度上昇するとの見通しも示している。



年収に応じた貸付規制を知らない利用者

日本貸金業協会が行ったアンケート調査によると、利用者の85%が年収の3分の1を超える貸付を禁止する「改正貸金業法の『総量規制』」を知らないことが明らかになった。調査は、現在借入れがある利用者を対象にしたもので、「上限金利引き下げ」を知っていた人は33.7%だったが、総量規制を知っている人は15%にとどまった。改正法は2010年6月までに全面施行されるが、同協会では、「利用者のうち、総量規制に抵触して追加融資が受けられない人が約4割に達する」とみており、新規借入れができないことでの混乱が起きかねないと指摘している。



271種類商品などをエコポイントで交換

政府は、エアコンなどの省エネ家電購入でもらえる「エコポイント」(1ポイント=1円)と交換できる271種類の商品や商品券を発表した。エコポイントは環境基準を満たしたエアコンや冷蔵庫、地デジ対応テレビなどの省エネ家電を来年3月末までに購入すると3,000―36,000ポイントまで得られる制度。取得したポイントで、①商品券・プリペイドカード、②地域産品、③環境配慮製品の3分野・271種類から交換ができることになる。家電メーカーは需要喚起につながると歓迎しながらも、エコポイント終了後は「値下げ圧力が加わる」との懸念も指摘している。



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