社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年06月16日号

正社員の過剰感、パートの不足感

厚生労働省が従業員30人以上の全国約6千事業所を対象にした5月の労働経済動向調査によると、パート労働者の過不足判断DIは全産業で1ポイントの不足超過に転じ、不足感を抱く傾向がみられた。パート不足感によって、明るい兆しはみられたものの、依然、正社員での過不足判断DIでは過剰超過が続いており、全体としてみれば、雇用情勢は厳しさが伺える実態にある。パート労働者は、宿泊業や医療・福祉業で不足超過がみられた一方で、建設業や情報通信業では過剰超過だった。



過労で「心の病」の労災認定は最多に

厚生労働省のまとめによると、2008年度、過労が原因でうつ病などの「心の病」に陥り、労災認定された人が過去最多の269人に上ることが分かった。過労死(158人)、過労自殺(66人)ともに過去2番目の高い水準にあり、同省では「景気悪化を背景に、労働者の職場環境は依然厳しい」と分析した上で、「企業などへの指導を徹底していきたい」としている。労災認定された人を年代別にみると、30代が最多で、20代、40代が続き、まさに働き盛りの世代が心病む実態が浮き彫りとなっている。業種別では、製造業、卸小売業、医療・福祉が多い。



国交省、「エコ通勤」認定制度を

国土交通省は、徒歩や自転車などによる環境に優しい通勤方法を推進している企業や自治体を対象に「エコ通勤優良事業所」を認定する制度を導入した。同省は、企業などが二酸化炭素(CO2)削減に貢献する活動として、通勤方法に着目したもので、認定を受ければロゴマークを名刺やホームページに使うことで、環境意識の高さをアピールできるメリットがある。昨年、同省はエコ通勤に取り組んでいる事業所を対象にしたアンケート調査結果で、通勤に関わるCO2排出量が11.6%減少している実態が明らかになっている。認定の審査は各運輸局で受け付け、認定は2年間有効となる。



何歳で離婚しても「やり直し」は可能

情報サイトを運営するヒューマが行った調査によると、「再婚や1人になってやり直しがきくのは何歳までか」との問いに対し、全ての年代で「年齢に関係なくやり直せる」との回答が最も多く、何歳で離婚しても人生のやり直しがきくと考えている人が多いことが分かった。離婚経験者で、「離婚を切り出した」と答えた男性は30代から50代までが30%台だったのに対して、女性は30代から50台が70%を占め、女性が離婚の意思表示をする割合が高い。



緊急奨学金に想定以上の学生が殺到

独立行政法人日本学生支援機構が昨年末から今年2月にかけて行った「緊急奨学金制度」に、当初見込みの2倍超となる9千人以上が応募し、約56億円を貸し付けた。急速な景気悪化が家計を直撃した保護者事情があるとみられ、同機構以外に、大学が独自に行った奨学金にも当初予想をはるかに上回る応募が殺到している。



エコポイント制度で400万トンのCO2減

経済産業省は、5月からスタートした省エネ家電普及を支援する「エコポイント制度」によって、年間の二酸化炭素(CO2)排出量は約400万トン削減するとの環境効果の試算結果を発表した。この量は、家庭部門の電力消費に伴うCO2排出の4%に相当することになる。また、経済効果では、エコポイント対象製品が300万台弱出荷されるとの予測をベースに、家電産業にとどまらず、原材料や流通などを含めた関連する産業全体で約4兆円もの生産誘発効果があるものとみている。さらに、約12万人もの雇用創出も見込まれるとの試算も発表している。



労働生産性、過去最大の落ち込み

日本生産性本部の調べによると、2008年度の国内製造業の労働生産性(05年=100)は95.0となり、前年度比10.5%という調査を開始した1990年以来、最大のマイナスとなったことが判明した。労働生産性は、1人の就業者がモノやサービスの付加価値を生み出したかを示す指標で、生産や雇用の統計を基に1時間当たりの生産量を表している。生産性の落ち込みは、輸出関連の機械や自動車、鉄鋼が振るわなかったことに起因している。業種別にみると、一般機械が16.5%減だったのを筆頭に、自動車などの輸送機械が13.7%減、電子・デバイスが12.8%減、鉄鋼が12.3%減と続いた。同本部では、「生産性の悪化は3月で底入れしたかもしれないが、本格的な回復はまだ先になる」と分析している。



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