社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年07月07日号

07年度公的年金制度収支、そろって赤字

2007年度の公的年金制度の時価ベース収支状況はそろって赤字となり、制度全体では8兆8454億円の赤字に陥ったことが、厚生労働省の報告で分かった。公的年金制度は、国民年金・厚生年金はじめ、国家公務員・地方公務員・私立学校教職員の3共済年金も含まれており、前年度の3.7兆円の黒字から一転、赤字に転落した。国内外の株安など運用環境が悪化したことや年金受給者が増加したことが最大の要因である。



自治体の88%で退職金2千万円超支給

総務省が情報開示した2007年度の都道府県と市区町村の定年退職した一般職員の平均退職手当が2000万円を超えている自治体が全国自治体の88%に上っていることが分かった。市区町村で最高額は愛知県碧南市の3021万円で、3005万円の西宮市が続き、都道府県での最高額は福井県の2847万円で、静岡県の2806万円が続いた。厚生労働省の民間企業(従業員30人以上)の2007年平均は大卒で2026万円となっており、9割もの自治体がこれを上回っている実態が明らかとなった。



86%の世帯で定額給付支給を完了

総務省は、定額給付金が6月末時点で対象世帯の86.0%に支給されたと発表した。また、転居などで対象世帯に申請書が届かずに返送されたものが47万通にも上ることが明らかとなった。給付済みの世帯割合が最も高かったのは島根県(95.8%)で、最も低かったのは愛知県(69.5%)となっており、比較的に人口の多い市での支給遅れが目立っている。



メタボ健診の受診率は6割弱

健康保険組合連合会の集計によると、40―74歳を対象にした特定健診(メタボ健診)の受診率は、大企業の社員や家族が加入している健康保険組合(加入者約3千万人)の平均で59.8%にとどまっていることが分かった。加入者本人の受診率は75.0%だったが、扶養家族の受診は32.5%にとどまっている。



今年の企業の夏休みは平均7.8日

厚生労働省から調査委託を受けた全国労働基準関係団体連合会が行った今年の企業の7-8月に取得する夏季連続休暇の合計日数を調査したところ、平均で7.8日であることが分かった。今年のお盆期間である8月13―15日が土日と重なっており、まとまった休暇が取りにくいためか、昨年と比べ0.3日短くなっている。製造業は9.1日、非製造業が6.4日で、非製造業での休暇は少なくなっている。休暇の合計取得日数が最も長かったのは、電気機械器具製造業と運輸・通信業の2社から20日間という回答もあった。



宅配便、初めて減少に転じる

国土交通省がまとめた2008年度の宅配便取り扱い個数は前年度比0.6%減少の32億1166万個となり、1970年代にスタートし、右肩上がりで成長を続けてきた宅配便が初めて前年度割れとなった。宅配便の業者別にみると、ヤマト運輸が0.3%減(12億3053万個)、佐川急便が1.1%増(10億6110万個)、日本通運が2.5%減(3億2786万個)となっており、業者間格差もみられた。しかし、バブル崩壊後も、通販の普及や業者での新サービス展開で年率5%前後の成長を続けてきた宅配業界が初めて減少に転じたことで、宅配便市場は大きな転換点を迎えたともいえる。



勤労者全世代で純貯蓄額は減少に

総務省の2008年家計調査によると、30代から50代までの勤労者世帯の純貯蓄額は全世代で10年前より減少していることが明らかになった。純貯金額は貯蓄から負債を差し引いたもので、世代のそれぞれの純貯蓄額は、30代がマイナス157万円、40代が242万円、50代が1075万円だった。いずれの世代でも純貯金額は10年前と比較して減少している。とりわけ、30代の純貯金額がマイナスに転じた背景には、住宅取得による住宅ローン利用で負債が増加していることが挙げられる。また40代は、子どもの教育に費用を要し、貯蓄水準を押し下げているとみられる。



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