社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年06月30日号

平均年収「700万円超」自治体が1割も

日本経済新聞社は、総務省が開示した自治体別の平均給料と諸手当、ボーナスを合計した平均年収を推定算出したところ、職員の平均年収が700万円を超えている自治体は全国の1割を超える187自治体に上ることが判明した。多摩市が844.5万円(平均年齢46.2歳)で最高となり、最低は夕張市が386.6万円(同41.9歳)で、その年収差は2.2倍に達している。今回の集計では、給与額が高いとされる教職員や警察官などは除外されており、実際は地方公務員の給与はさらに高いものとみられる。厚生労働省が公表している2008年「賃金構造統計調査」による民間事業所(従業員10人以上)の全国平均は486万円となっており、地方公務員の厚遇は財政危機を露呈している自治体が多いだけに、国民の非難が集中しそうだ。



中国、米国債の保有残高を減す

米財務省は、4月末時点での中国の米国債保有残高は7635億ドルとなり、10ヶ月ぶりに減少に転じたと発表した。中国は昨年9月に日本を抜いて世界最大の米国債保有国となり、金融危機以後も政治的配慮から大量に買い増しを続けてきたが、米国債の下落リスクが増してきたこともあり、外貨準備の運用をドル偏重からシフトしたものとみられる。事実、6月上旬には国際通貨基金(IMF)が発行する、合成通貨であるSDR債券を500億ドル購入すると表明している。G8財務相会議でもドル基軸通貨見直し論議が出るなどしており、ドル信用不安が増しかねない。



貯蓄率、日米が逆転へ

2007年度の日本における家計の貯蓄率は過去最低の2.2%に落ち込む一方、米国の貯蓄率は生活防衛意識の高まりから6%台まで上昇し、日米逆転現象が起きている。日本の貯蓄率は1970年代半ばに20%を超えていたが、高度成長期から安定成長期にシフトする中で、次第に低下し、2000年代に入ってからは1ケタ台が定着してきた。少子高齢化での負担増や雇用不安による可処分所得の減少などで、貯蓄を増やしたくても増やせないが実情にあり、ニッセイ基礎研究所では「2020年ごろには貯蓄を取り崩すという、マイナスに陥り、常態化する恐れがある」と指摘している。



非正規社員数、前期比97万人減

総務省が発表した「労働力調査」によると、1―3月期平均の非正規社員数は1699万人で、昨年10―12月期より97万人減少していることが分かった。雇用調整助成金制度などによる政府の雇用維持策で急激な人員削減には一定の歯止め効果が見られているものの、依然として雇用情勢は厳しさがあり、景気回復が遅れることで企業収益の悪化局面が続けば、一段の雇用減少を招きかねない。事実、企業が生んだ付加価値のうち給与などの人件費に回す比率である労働分配率は過去最高水準の70%を超えている。



自転車運転の道交法違反、5割増加

警察庁は、2008年の都道府県警が自転車運転者を信号無視などの道交法違反で検挙・送検した件数は前年比49%増の1211件に上ったと発表した。このうち、903件が罰金などの刑事処分対象となる交通切符(赤切符)が適用された。節約やエコブームで自転車を利用する動きが広がっていることが検挙・送検の急増につながっているものとみられ、今年に入っても増勢傾向が続いている。信号無視や遮断機が鳴る踏み切りへの立ち入りが目立つ一方、2人乗りなどは減少してきている。同庁では、危険・悪質運転には厳しい姿勢で臨むよう都道府県警に指示している。



09年上期ヒット商品番付に「インサイト」

日本経済新聞社がまとめた2009年上期(1-6月)のヒット商品番付によると、東の横綱には「インサイト(ホンダ)&プリウス(トヨタ)」と、西の横綱にアパレル店「ファストファッション」を選出した。また、番付には、「下取りセール」「節約弁当」「990円ジーンズ」など低価格やエコなどの生活防衛意識を取り込みつつ、高い満足度を得られる商品・サービスが際立った。



2011年までに社会保障番号カードを

政府の安心社会実現会議は、2011年までに実施する10施策を発表したが、このなかで年金や医療など社会保障の各制度の負担と給付を一元管理できる「社会保障番号・カード」の導入を提案した。厚生労働省も11年をめどに、医療・年金・介護の管理をカードで一元化する実用化を検討しており、実現の可能性は高まったものとみられる。ただし、同会議では番号制には慎重な姿勢を示している。



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