社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年05月12日号

08年度国民年金納付率、過去最低に

社保庁幹部が明らかにしたところによると、2008年度の国民年金保険料の納付率は、62%前後にとどまり、過去最低となった2002年度(62.8%)を下回ることが分かった。納付率は3年連続での低下で、政府が掲げる目標の80%を大きく下回り、このまま納付率が下がり続ければ、積立金の減少は避けられず、政府が約束している「現役世代手取り収入に対する50%給付」が困難となってくる。納付率の低下の背景には、年金記録洩れ問題への対応に社保庁の人手が割かれたため収納担当者の人員削減や、離職者増加といった雇用情勢の悪化で国民年金に切り替わった人の生活苦からの滞納、若者の年金不信感から意図的に支払わない人の増加も指摘されている。



1部上場企業の夏のボーナス、14%減

民間調査機関の労務行政研究所が東証1部上場の主要140社を対象とした今夏のボーナス額は64万8149円(平均38.3歳)となり、前年より14.4%減少することが判明した。内訳をみると、非製造業が前年比2.1%減、製造業が同18.7%減で、製造業の大幅な減少が際立っており、なかでも、機械が同32.8%減、自動車が同27.9%減となっており、輸出に依存する業種の減少が突出している。夏のボーナスの減少は7年ぶりで、その下げ幅は1970年の調査開始以来で最大となっている。



訪日外国人数、8ヶ月連続で減少

日本政府観光局よると、2009年3月の訪日外国人数は前年同月比22.2%減少の56万8千人にとどまることが分かった。8ヶ月連続の減少となり、世界的な景気後退や円高による訪日への割高感が影響したものとみられている。訪日外国人の内訳を国・地域別みると、韓国(前年同月比42.2%減)、台湾(同21.5%減)、米国(同21.1%減)となり、軒並み大きく減少している。ただ、主要国で唯一、中国が富裕層の来日意欲もあり、2.3%増となっている。



月60時間超の超過勤務、看護師2万人

日本看護協会の推計調査によると、病院勤務の看護師のうち、交代制勤務で時間外労働が月60時間を超える看護師が約2万人に達することが分かった。同協会会員(約82万人)で病院勤務の看護師1万人を対象にした勤務実態調査によるもので、月60時間を超える看護師は4.3%に達したことによる推計結果である。同協会では、「交代制で、時間外労働が月60時間を超える勤務は過労死の恐れがある」と指摘している。



ハローワークの就職率目標、未達成に

厚生労働省は、2008年度に全国のハローワークに求めていた就職率目標である「31%以上」に届かずに、25.4%の実績にとどまったことが明らかになった。04年度から目標を設定して取り組んできたが、2年連続で目標を達成できなかったことになる。背景には、失職が相次ぐ中で、企業からの求人は減少し、就職率が低迷したことが挙げられる。ただ、企業の求人の中からどれだけ就職できたかを示す「求人充足率」は、目標とした22%以上を上回る24.6%の実績を確保した。



地方債務残高、5年ぶりに増加へ

2009年度の地方の債務残高が、地方債の発行増加などに伴い、198兆円程度となり、5年ぶりに増加に転じることが確実となった。地方の債務残高は、地方債や水道・交通事業などの公営企業の借金を自治体の普通会計で負担する分、国の交付税特別会計の地方が負担する債務の3つで構成されている。国の追加経済対策による地方負担分が増加したことや、景気後退による税収減による地方債発行の増加により、債務残高が5年ぶりに増加に転じた。債務残高の増加は、今後、地方財政の硬直化を招き、住民サービスの低下も招きかねない。



経済的理由の私立高中退者、過去最多

全国私立学校教職員組合連合の調査によると、2008年度中に経済的理由で私立高校を中退した生徒数が過去最多の513人に上ることが分かった。また、3ヵ月以上学費を滞納する生徒を抱える私立高も66%に上っている。中退理由として、「リストラ・勤務先倒産などによる保護者の失業、両親離婚での収入減」などが挙げられている。同連合では、「学校側も努力しているが、中退に追い込まれる生徒は依然として高い水準にある」ことを指摘している。



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