厚生労働省は、2008年に労働基準監督署に解雇や賃金不払いなどの不服申し立て件数が前年比11%増加の3万9千件を突破したと発表した。1955年(5万6千件)以来の53年ぶりの高水準で、今年に入ってからも毎月4千件台に届く勢いで増えており、09年は昨年を大きく上回る勢いである。08年で最多の申立ては、賃金不払いが約2万9千件で、企業の業績不振から賃金の不払いが続き、数カ月間は辛抱するものの耐え切れずに申立てに及ぶケースが多い。また、解雇での申し立て件数は約7千件で、30日前解雇予告などが行われないといった手続きが不十分というケースが目立った。同省では企業の実態調査を実施し、企業に是正勧告や送検も視野に指導を行うとしている。 |