社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年04月14日号

08年度、上場企業倒産が過去最多

帝国データバンクは、2008年度の上場企業の倒産件数は45件に達し、これまで最多だった2002年度の22件を大幅に上回る戦後最悪を記録したと発表した。倒産の半数超の23件が不動産関連企業で、昨年9月以降の世界的金融危機を背景に資金繰りが極度に悪化するとともに、市況低迷で物件売却も進まなくなり、経営が行き詰ったものとみられる。倒産した上場企業のうち21件は直近の本決算が黒字となっており、急激な経営環境の変化を裏付けている。



失業給付受給者は33年ぶりの増加率

厚生労働省は、2009年2月に失業給付を受けた人は前年同月比33.8%増加の約69万3千人に達したと発表した。増加率は1975年11月以来、33年ぶりの大きなものになった。急増の背景には、景気後退による雇用調整で08年末に失職した人が支給申請したものとみられる。受給者の増加に伴って、2月の失業給付額も前年同月比27%増加の約768億円にまで膨れ上がっている。3月31日施行の改正雇用保険法により、雇用期間の短い労働者や非正規社員も受給しやすい環境となっており、今後失業給付の受給者はさらに急増するものとみられている。



貸金業者、1年で3割減少に

金融庁の調べによると、消費者金融などの貸金業者が2009年2月末現在で6477社となり、07年度末から1年足らずで約3割減少したことが分かった。減少した背景には、過払い金の返還訴訟が増加したことや、貸金業法改正で純資産の額が引き上げられるために自主廃業が進んでいるものとみられる。特に減少しているのは中小零細業者で、07年度末に8535社あったものが、今年2月末では5998社まで落ち込んでいる。



自殺者は11年連続で3万人超に

警察庁によると、昨年1年間の自殺者は32,249人に達し、11年連続で3万人を超えていることが分かった。前年比で2.6%減少はしているものの、依然高止まりを続けている。月別にみると、各月ともに2千人を超えているが、リーマンショック直後の10月が3092人と最多で、景気が色濃く反映している実態も伺わせ、専門家も「厳しい経済情勢が影響して依然深刻だ」と指摘している。



新型インフルで食料備蓄のガイドを

農林水産省は、新型インフルエンザの大流行(パンデミック)に対処するための家庭で備蓄すべき食糧についてのガイドを作成した。感染懸念から2週間程度外出しないことを想定し、4人家族の2週間の備蓄モデルを示している。ガイドによると、コメは10kg、魚介や野菜といった缶詰は50缶、カレーなどのレトルト食品や保存できるタマネギジャガイモなどの野菜類もそれぞれ2kgをと記している。ガイドは今月中に同省のホームページで公開するとともに、地方自治体などでも配布を予定している。



3割の市町村で独自の失業対策を

総務省の調べによると、全国の約3割の市町村で国とは別の独自の失業者対策を実施していることが分かった。独自の具体的な取り組みでは、臨時職員として雇用する「雇用創出事業」が最も多く、「住居の確保」「再就職支援」「無利子貸付金制度」が挙げられた。独自で失業対策を行っている市町村での事業規模の額は156億円だが、このうち補助金に頼らず自治体の自主財源によるものが77億円と約半分を占めており、厳しい地方財政にある中、「他の事業を削って対策を講ずる」との強い姿勢で臨んでいる自治体も少なくない。



私大生の生活費は月3.6万円

東京地区私立大学教職員組合連合が行った「家計負担調査」によると、昨春首都圏の私立大に入学した自宅外通学の学生の生活費は過去最低となる月3万6千円になっていることが分かった。13年連続しての減少で、過去最も多かった1990年の7万3千円の半額以下となっている。生活費は学生への平均仕送り額9万5700円から平均家賃額5万9700円を差し引いたもの。仕送り額も8年連続で減少しており、同連合では「学生がアルバイトに頼らざるを得ない現状にある」と分析している。



人気の旭山動物園にも不況の影響が

動物の行動展示で知られ人気の旭山動物園は昨年の年間入園者数が前年比29万6千人減少の277万人になったと発表した。昨年、大型施設「オオカミの森」をオープンしたり、同園の映画が全国上映されたりしたが、入園者増には至らなかった。同園では「警備強化された洞爺湖サミット、原油高、不景気などが影響したのではないか」と分析している。



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