社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年04月07日号

2010年末までに世界経済は回復

経済協力開発機構(OECD)は、各国の景気対策が奏功し、2010年末までには世界経済は回復するとの見解を示した。同機構の経済政策委員会がまとめたもので、「2009年の年内は金融市場が逼迫し、経済活動を抑制する」ものの、各国の景気対策の対応を前提に「2010末までには景気対策の効果が出て、回復に向かう」としている。



50-54歳非正規賃金は正規の約半分

厚生労働省の2008年の賃金構造基本統計調査によると、50-54歳の非正規社員の平均賃金は191,300円で正規社員の49%にとどまっていることが分かった。非正規と正規社員との格差は、非正規社員の就労期間が短く、定期昇給の恩恵がないことが背景にある。若い時には大きな格差が見られないが、50-54歳で格差は最大になり、50代後半では正規社員の賃金が下がるため、格差は幾分縮まっている。一般労働者の賃金は平均で前年比0.7%減少し、299,100円となり、10年ぶりに30万円を割り込んだ。



定額給付金の使い道、外食が最多

価格比較サイト運営会社であるカカクコムが行った消費者調査によると、定額給付金の使い道の最多は外食であることが分かった。複数回答による調査で、「外食」(20%)、「旅行」(19%)、「食品・お酒」 (13%)が上位を占めた。耐久消費財を購入する向きは、パソコンの周辺機器・ソフト(12%)が最も多く、「生活家電」(10%)が挙げられた。給付金を使った買い物の総額では、「1万2千円未満」(21%)、「1万2千円以上2万円未満」(16%)、「2万円以上3万円未満」(12%)で、3万円未満が半数近くを占めた。耐久消費財より一時的消費に回し、しかも定額給付金に自分のお金を足してまでも高額消費をする向きは少ない傾向が見られた。



日本のIT競争力は世界17位

世界経済フォーラムは「2009年版世界IT報告」の中で、各国・地域のIT(情報技術)分野の競争力比較において、日本は134カ国中17位にあると発表した。1位デンマーク、2位スウェーデンと北欧勢が占めた。日本は携帯電話普及でIT利用度が高まったものの、政府の支援体制に不備があるとして17位にとどまった。4位のシンガポールはアジアで最も上位に掲げられた。



日経平均、1年間で35%の下落に

3月31日の東京株式市場の終値が8109円53銭となり、2008年度の日経平均は35.3%の下落率となった。ITバブル崩壊時の2000年度の下落率36.1%以来8年ぶりの大きな下落となった。昨秋のリーマンショック以来の急落が響いている。また、2008年度の売買代金も459兆9026億円で、前年度比30.4%減少した。



65歳まで就労できる企業を50%に

厚生労働省は、2010年度末までに就労を希望する65歳までの人が働ける企業の割合を50%まで引き上げることを「高年齢者等職業安定対策基本方針」に盛り込んだ。これまで具体的な数値目標を掲げてこなかったが、公的年金支給開始年齢が段階的に65歳まで引き上げられることを踏まえ、50%を明記した。また、70歳まで働ける企業の割合も10年度末までに20%とすることも明記された。2008年6月時点での65歳まで働ける企業の割合は39%にとどまっている。このため、同省では奨励金や助成金を投入して企業に高年齢者の雇用機会を確保するよう働きかけるとしている。



54%が「最後は自宅で迎えたい」

内閣府が行った「55歳以上の健康に関する意識調査」によると、治る見込みのない病気になった場合に「自宅で最後を迎えたい」と希望する人が54.6%に上ることが分かった。延命治療については、「延命目的のみの治療は行わず自然に任せて欲しい」が87.7%にも達した。介護を頼みたい相手については、男性の82.9%が「配偶者」と答える一方、女性は「配偶者」が44.3%に過ぎず、女性の61.5%が「子供」と答えた。



個人情報保護法の早急な法改正を

日本新聞協会は、内閣府の国民生活審議会のヒアリングで、「危惧した以上の匿名社会が出現している」として、早急に同法の改正を求める意見を表明した。法施行後、官民問わずあらゆる分野で個人情報保護を理由に、本来、社会で共有されるべき情報が開示されずに社会の損失となっていると指摘している。同協会はこれまで、同法への過剰反応や法の名を借りた情報隠しなどの問題点を指摘してきている。



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