社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年03月24日号

米経済、本年後半からのプラス成長予測

米国主要の約50の金融機関などのエコノミスト予測を集計したブルーチップ調査によると、本年上期の国内総生産(GDP)はマイナスで推移するものの、下期の後半からはプラスに転じるとの予測が大勢を占めたことが分かった。国内総生産(GDP)は、1-3月期がマイナス5.3%、4-6月期もマイナス2.0%とマイナスとなるが、7-9月期はプラス0.5%、10-12月期はプラス1.8%まで高まるとの復調を見込んでいる。GDPの約7割を占めるとされる個人消費が伸びることを見込んでの予測だが、所得の源泉となる雇用情勢は依然厳しい状況にあり、年後半のプラス成長予測はなお予断を許さない。



29道府県で職員給与を減額へ

2009年度に、29道府県が一般職員の基本給を減額することが日本経済新聞社の集計調査で分かった。都道府県の約6割にあたり、背景には法人事業税などが景気悪化の影響を受け税収が減少となり、人件費削減に着手せざるを得ない状況がある。21道府県は昨年から引き続き給与削減を続け、09年度から新たに宮城や神奈川など8県が削減に踏み切った。市町村などの地方自治体での集計調査は行われていないものの、都道府県同様に財政再建で聖域とされてきた職員給与の減額が相当数行われているものとみられる。



需給ギャップはマイナス4.1%に

内閣府は、2008年10-12月期の経済全体の需要と供給の差を表す需給ギャップがマイナス4.1%になったと発表した。マイナスになったことは、供給過剰・需要不足の状態になり、物価が下落するデフレ現象を生み出し、さらに景気の下振れ懸念とともに成長の負の連鎖循環が強く危惧される。国内総生産(GDP)が約560兆円ある中での需給ギャップは約23兆円にも達し、20-30兆円もの財政出動を経済界から求められてきている所以でもある。09年1-3月期はマイナス10%前後の需給ギャップが予測されており、デフレ加速を阻止する上で、早急な経済対策が今後、強く求められてこよう。



児童扶養手当の受給者、100万人超え

厚生労働省のまとめによると、昨年12月時点での児童扶養手当の受給者は100万552人となり、初めて100万人を突破したことが分かった。児童扶養手当は、低所得で生活苦の母子世帯を対象に支給されている。過去最多となった背景には、離婚の増加に加え、世帯の平均年収が一般世帯の約4割にとどまるなどの経済状態が悪化していることがある。手当の受給は前年の所得に基づいた届出で支給されるため、「昨年秋から景気悪化の影響でさらに増える」ものと同省ではみている。



育児休業で不利益な扱い相談が急増

厚生労働省のまとめによると、「育児休業取得」を巡って企業側からの解雇や雇い止めなどの不利益な扱いを受けたとする相談件数が前年度の1.4倍となる1100件を超えていることが分かった。寄せられた相談では、「業績悪化で以前の勤務時間帯に仕事がない」「別の人を採用した」などの復職を拒まれたり、「勤務条件の変更を求められた」などが目立った。同省では、「景気悪化によって、休業する労働者への不利益な扱いが増加する懸念がある」としている。



4人に1人が裁判員候補の辞退を希望

最高裁のまとめによると、今年の裁判員候補者名簿に記載された約29万人に対して調査票を送付したが、このうち年間を通じて辞退を希望したのは約7万人(23.8%)に上ることが分かった。最高裁はこれらの候補者については地裁に呼び出さないことにしている。辞退希望の理由は、「重い疾病・傷害」「学生・生徒」で、また自衛官や警察官で法律によって裁判員になれない人もあった。仕事や育児などで参加困難な月として申し出が最も多かったのは12月で、次いで8月、7月となっている。



幼児期に父と過ごせば、我慢強い子に

厚生労働省の「21世紀出生児縦断調査」によると、1歳時に父親と過ごす時間が長い子供ほど、5歳になった時点で我慢強い子供になっていることが分かった。調査は2001年生まれの子供の親を対象に6年間にわたって経年調査・分析したもの。休日に父親と過ごした時間別に比較したところ、6時間以上父親と過ごした子が、「落ち着いて話を聞く」「約束を守る」など6項目で、1時間未満しか過ごさなかった子を上回った。とくに、「我慢強い」は、最も差が大きかった。



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