社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年03月10日号

2次補正予算の経済効果は限定的

成立した2008年度第2次補正予算4.8兆円の経済効果について、エコノミストの野村證券・木内氏は予算額全体で「GDP押し上げ効果は0.2-0.3%」の見解を示し、実額に換算すると1-2兆円過ぎない。内閣府の試算では、2兆円の定額給付金の4割(8千億円)が消費に回り、GDP押し上げ効果を0.15%とみているが、エコノミストの間では、「経済環境が厳しく、消費に回るのは2割」と見ている向きが多い。また、2次補正で5千億円を計上した高速道路料金値下げについて、国土交通省は約4千億円の経済効果があるとしているが、これもエコノミストの見方は、「旅に出る消費者がどれだけいるか」と懐疑的である。



米国財政赤字、史上最大の171兆円に

オバマ大統領が示した中期財政見通しによると、09年度の財政赤字は史上最大の1兆7520億ドル(約171兆円)に達することが明らかになった。同大統領は「前政権から1兆ドル超の財政赤字を引き継ぎ、景気対策のためにさらに積み増すことになった」と赤字要因を指摘し、2010年度も1兆ドル超の赤字となることも明らかにした。09年度の財政赤字は国内総生産(GDP)の12.3%に相当し、赤字が過去最大だった08年度の3.8倍まで膨らむ。今後、高齢化の進展による社会保障費の増加もあり、米国の財政赤字からの脱却には相当な年数を要するものとみられる。



商議所が中小向け融資で金利補給

福島商工会議所と福島市は、日本政策金融公庫が融資する小規模事業者向けの融資に対して、4月から貸付利率年2.1%のうち0.7%分を補給することになった。市が0.5%、商工会議所が0.2%を補給し、企業の借入れ金利は実質1.4%となり、企業の金利負担は軽減される。緊急経営支援事業として中小企業の資金繰りを支援するものとして行われるものだが、商工会議所が自治体と連携して融資の利子を補助するのは全国的にも極めて珍しい。



出生率低下に8割が「危機感」

内閣府が行った「少子化対策に関する特別世論調査」によると、30年以上も下がり続けている我が国の出生率について、8割強の人が危機感を持っていることが分かった。20歳以上の男女3千人を対象にした面接調査で、「大変危機感を感じている」(49.9%)「多少危機感を感じている」(33.1%)との回答を合わせると83.0%にのぼった。前回調査の平成16年時より、危機感を抱く人が6.3ポイントも増えた。また、少子化が与えるマイナスの影響は、「年金や医療費の負担など社会保障への影響」が76.1%で最も多く、「労働力人口の減少など経済活力への影響」(62.4%)が続いた。昨年の出生率は1.34。



消費者金融の貸付残高は10年前の水準

消費者金融大手4社の2009年3月末の貸付残高推計によると、合計で約3兆9千億円になる見通しで、ピークだった03年3月末の6兆1千億円から4割弱ものの減少となる。10年前の水準となる見通しで、背景には2010年までに全面施行される改正化資金業法によって利息制限法の上限(年15-20%)を下回る利息しか受け取れなくなるため、各社とも融資審査を厳しくしているものとみられる。



中高生の7割が携帯トラブルを経験

文部科学省が行った「子供の携帯電話の使用実態調査」によると、73.4%の中高生が携帯電話によるトラブルを経験していることが分かった。トラブルは、迷惑メールやチェーンメール被害のほか、「しつこくメールを送られたり、つきまとわれたりした」「掲示板やメールで悪口を書かれた」「個人情報を無断で流された」などが指摘された。また、携帯メールのやり取りも頻繁で、中学2年では1日のメール送受信が3人に1人が1日30件以上で、100件以上も7.3%あった。



協会けんぽの都道府県別保険料率を決定

今秋から都道府県に移管する、中小企業のサラリーマンが加入する協会けんぽの保険料率が決まった。初年度の10月~来年3月までの保険料率は、最も高い北海道の8.26%から最も低い長野県の8.15%まで都道府県ごとに決定された。保険料率は地域の医療費が高ければ割高になる仕組みだが、激変緩和措置によって今回決まった最高と最低の格差は0.11ポイントに圧縮された。



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