社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年03月17日号

中小の資金繰り、一段と厳しく

日銀の調査によると、1月末現在の中小企業向け貸出残高は前年同月比0.6%減少の182兆2700億円となり、2007年9月から17ヶ月連続で前年割れとなっている。銀行が貸し倒れ懸念される中小への貸し出しに慎重になっているのに加え、銀行が保有する株式の減損会計処理によって自己資本比率が下降する危険性も抱えており、一段と慎重姿勢を強めてきている。また、商工組合中央金庫の2月の中小企業の資金繰り調査によると、「悪化した」との回答から「好転した」を差し引いた指数が過去最悪の水準であるマイナス20に落ち込んでいる。3月の年度末を控えて、中小の資金繰りは厳しさを増している。



ガソリンスタンド、今後10年間で36%減

全国石油商業組合連合会がスタンド経営者を対象にした調査によると、2012年度末のスタンド数は現在より20%減の約3万2千店に、2017年度末は36%減少の約4万300店になると予想していることが分かった。減少する理由(複数回答)は、「販売競争の激化による経営悪化」が56%の最多で、「需要減による経営不振」(25%)が続いた。ガソリンスタンドの生き残り策については、「適正な利益の確保を目指す」(54%)、「高収益のスタンドに絞り込んで経営する」(18%)が挙げられた。電気自動車向けの充電器を設置するなどの「次世代エネルギー対応を進める」を最重要課題として挙げた会社は回答企業486社の中で2社だけだった。



ホームレスは僅かに減少へ

厚生労働省の調査によると、公園や河川敷で暮らすホームレスは1月時点で1万5759人となり、昨年同月比1.6%減少していることが分かった。男性が1万4554人、女性は495人、性別不明が710人となっている。都道府県別にみると、大阪が4302人で最も多く、東京は3428人となっている。増加幅をみとると、福岡が最も多く、神奈川、愛知が続いた。減少に転じた東京は「年末の日比谷公園での年越し村に集まった人が生活保護を集団申請したことで減少に転じた」(都福祉保健局)とみられる。同省では「今後、不況の拡大で増加に転じる恐れもある」と危惧している。



日生が「心の病」での休業保障商品を

日本生命は4月から「就業不能保障保険」を販売することになった。企業向けの団体保険で、日生と契約した企業の従業員が加入できるもので、ケガや病気で長期間就労できなくなった従業員に保険金が支払われる。特約をつけることで、「心の病」による休業も保障される。就業不能保障保険は休んだ期間に応じて保険金が支払われ、限度期間は36ヵ月となる。同社では、就業不能保障保険の市場規模は将来には年1千億円規模にまで膨らんでいくと予想している。



電力需要は7年ぶりに減少に

日本電力調査委員会は、2008年度の国内電力需要が前年度比1.4%減少に転じ、09年度も同0.5%減少のマイナスが続くとの見通しを明らかにした。08年度に国内電力需要が減少に転じるのは7年ぶりとなる。家庭用はプラスを維持したものの、景気後退を背景に製造業の工場稼働率が低下して産業用がマイナスへ転じたことによるもの。一方、10年度は産業用需要が回復し、2.0%増となり、プラスに転じるとの見通しを示している。



世界で物価上昇率が最低水準に

経済協力開発機構(OECD)は、加盟30カ国の1月の消費者物価指数の上昇率は過去最低水準の前年同月比1.3%にとどまったと発表した。昨秋以降、急激に原油などの資源価格が下落したことに加えて、金融危機を背景に世界的に需要が減退したことによるもの。今後、先進国での物価上昇率の急激な鈍化は、2ケタの物価上昇率を続ける新興国も巻き込んで、一段と下落するものとみられ、世界的にデフレ懸念が強まるものとみられている。



非正規と正規社員とでは、結婚にも差が

厚生労働省の「21世紀成年者縦断調査」によると、過去5年間で結婚した20-30代の男性で、正規社員は24%に上るのに対して、非正規社員は12.1%にとどまり、2倍もの差があることが分かった。また、過去5年間に出産した夫婦のうち、妻が働いていない夫婦が47.6%であったのに対して、妻が働いている夫婦は30.6%にとどまっている実態も明らかとなり、働きながら出産することが厳しい現状を浮き彫りにした。同省では、「就労状態の違いが結婚や出産に大きな影響を及ぼしている」と分析している。



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