社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2009年02月24日号

自治体の95%で定額給付担当を設置

総務省がまとめた定額給付金を巡る自治体の準備状況によると、給付金を配布する担当部署を設置した市区町村は全体の95%に達することが分かった。同省では、「順調に給付準備が進んでいる」との認識を示しているが、住民に配る給付金を盛り込んだ「事業費」の予算案を決定した自治体は6%にも達していなかった。給付金の財源を確保する関連予算等が成立していないという現在の政治状況の混乱が、地方自治体にも反映している実態を浮き彫りにしている。



新卒採用、大手は抑制・中小は積極

求人・休職情報会社のエンジャパンが1月に行った、全国の企業を対象にした「2010春の新卒採用状況調査」によると、新卒者を50人以上採用すると答えた企業の割合は8.6%で、前回調査の08年10月の11.8%から3.2ポイントも減少した。逆に、「2010年採用なし」と応えた企業は4.6%から8.0%に増加しており、新卒採用を抑制する動きが目立ってきている。ただ、従業員100人未満の中小企業では「前年より新卒採用を増やす」と答えた企業が21%を占め、従業員1千人以上の企業の13%を大きく上回り、中小企業が新卒採用に積極的な姿勢を覗かせている。



地方公務員休職者の4割強が「心の病」

総務省の外郭団体である地方公務員安全衛生推進協会は2007年度に怪我や疾病などで1ヶ月以上の休んだ地方公務員一般職の長期求職者のうち、42.7%が「心の病」だったと発表した。2007年度に「心の病」で休職した職員数は7823人で、10年前の1997年度が1977人から約4倍にも増加している実態が明らかとなった。同省では、「職員定数の削減で1人当たりの負担が増えているためではないか」と分析しており、対策として「研修会やセミナーなどによるメンタルヘルス対策を充実させるしかない」と話している。「心の病」を理由に、定年を待たずに40-50代で早期退職している実態もある。



「資金洗浄」情報、約5割も急増

警察庁の年次報告書によると、昨年1年間で犯罪収益などに絡むマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いがあるとして、金融機関から「疑わしい取引」情報の届出件数が前年比48.9%増加の約23万件に達したことがわかった。1992年に制度発足して初めて20万件を突破。これら情報を端緒にして、全国の警察が摘発した詐欺などの事件は175件になった。届出は、約21万件の銀行が最も多く、信用金庫・使用組合、金融商品取引が続いた。



HIV感染者・発症者数とも、過去最高

厚生労働省エイズ動向調査委員会のまとめによると、2008年に国内で新たに報告されたエイズウィルス(HIV)の感染者数が1,113人、エイズ発症者数が432人に達し、それぞれ過去最高だったことがわかった。感染者数は6年連続、感染者数は3年連続で増加している。新規の感染者は86%が性交渉によるもの。男女別にみると、男性が93%で大半を占めた。年代別に観ると、30代が最多で、20代と50代が続いた。感染・発症が増加する傾向に対して、同委員会では「早期治療、感染拡大防止のため、検査や相談の機械を積極的に利用して欲しい」と呼び掛けている。



メタンハイドレートの連続回収に成功

清水建設や北海道大学はロシア科学アカデミー陸水学研究所との共同で、次世代エネルギー資源とされる「メタンハイドレート」を水深400メートルの水底から連続で回収する実験を世界で初めて成功させた。メタンハイドレートは、メタンガスが高圧・低温の海底下にシャーベット状に固まったもので、日本近海だけでも90年分もの資源があるとされている。今回の採掘技術を4年後には実用化し、今後10年で商業生産開始を目指している。



「きょうの料理」の材料表示を2人分に

NHKは、番組「きょうの料理」での材料の目安表示をこれまでの4人分から2人分に変更して今春から放映することになった。世帯での構成人数も約2.6人(2005年国勢調査)になっており、さらにこれから減少も想定されることから変更されることになったもの。44年ぶりの変更。同局では、「食べ物の廃棄処分が増えている現状で食べ物を大切にする姿勢も示したい」としている。



トップへ