社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年02月10日号

景気後退は07年11月からと認定

内閣府は景気動向指数研究会を開催し、戦後最長といわれた「景気の山」は2007年10月で、翌11月から「景気後退局面入りした」と認定した。今回の歴史に残る戦後最長と呼ばれた景気期間は、2002年2月からの69ヵ月で終焉したことになる。この間の名目成長率は年率換算0.8%で、バブル景気に湧いた86年-91年時の7.3%より大幅に下回った結果、実感なき景気回復を裏付けた。戦後の景気後退局面が平均16ケ月で終わっているが、世界同時不況の深刻さは拡がっていることを考慮すると、既に15ヵ月目に突入した現下の景気後退は、戦後の平均を上回るのは確実である。大方のエコノミストは「景気の底入れは2010年以降にずれ込む」と見ている。



定額給付金と連動した需要喚起策

総務省が行った定額給付金の支給と連動した地方自治体の需要喚起策に関する調査結果(1月末時点)によると、全国の129市区町村で、購入価格に一定額を上乗せした「プレミアム商品券」の発行計画があることが分かった。全国の自治体全体の約7%の自治体だが、同省では「商品券を発行する市区町村は今後ますます増える」とみている。プレミアム商品券は額面総額を販売価格より1-2割高く設定している自治体が多く、利用を地元限定にして、地域経済振興の役割を担う形を取っている。上乗せされた分の費用は、自治体と地元商店街組織などが分担する仕組みとなっている。



景気悪化で都市圏への人口流入が鈍化

総務省は2008年の住民基本台帳の人口移動報告で、地方から都市圏への人口流入が鈍化傾向に転じたと発表した。景気の悪化を背景に、都市圏での雇用吸引力が衰えてきたものとみられ、東京都では前年より1万人以上、神奈川県や愛知県でも2-3千人以上もの人口流入が減少している。東京圏や名古屋圏などへの都市圏への人口集中が抑制され、地方の過疎問題は一服感があるが、問題は地方に留まる人の雇用が確保されていくかどうか、今後、地方経済の活性化が焦点となってこよう。



99%の中学校で携帯の校内持込を禁止

文部科学省は全国の公立・小中高を対象に携帯電話の取り扱いに関する調査を行ったところ、小学校の94%、中学校の99%で校内への持込を禁止していることが分かった。高校では57%が持込を認めるものの、授業中の使用を禁止していた。また、都道府県の教育委員会で携帯電話の取り扱いについての指導方針を決めていたのは約半数の24教育委員会だったことも判明した。これを受けて、同省では、全国の教育委員会に対して、小中学校では原則、携帯電話の持込を禁止する一方で、やむをえない事情があれば、予め保護者から持ち込み申請をさせることを義務付ける通知を出した。



子育てを地域で支える島しょ部は子沢山

厚生労働省が発表した2003-07年の市区町村別の人口動態統計によると、一人の女性が生涯に産む子供の平均数である「合計特殊出生率」で上位を占めたのは鹿児島県や沖縄県などの「島しょ部」で、東京都などの都市部は下位となり、地域間格差を浮き彫りにした。最も合計特殊出生率が高かった「子沢山」は鹿児島県の伊仙町(徳之島)の2.42で、天城町(徳之島)が2.18で続いた。上位30位のうち、九州・沖縄地方の28市町村が占め、このうち25が「島しょ部」だった。出生率の最下位は東京都目黒区の0.74、中野区・渋谷区などが0.75となっている。全国平均では1.31。「島しょ部」での出生率の高い理由を同省は「子育てを地域全体で支える環境があるのでは」とみている。



20代女性、理想の子供数は2人

特定非営利活動法人ジャパン・ウィメンズ・イノベィティブ・ネットワークが行った「働く女性のワーク&ライフ調査」によると、理想の子供数は「2人」(61%)が最多で、「3人」(20%)、「1人」(9%)、「いらない」(9%)という結果が出た。子供のいない既婚女性だけを限定に、「産まない・埋めない理由」を尋ねたところ、20代は「キャリアロス(仕事を離れることによる知識低下・昇進の遅れ)が不安である」とする向きが31%も占め、子供が欲しくても仕事にマイナスになるとの理由を挙げた。同法人では、「年功序列、長時間労働を前提とした評価制度が20代の産み控えを招いている」と分析している。休まずに働き続ける人が評価される企業風土が子供が欲しくても産まない状況を作り上げていることも否定できない。



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