社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年02月17日号

県民所得は1.6%増も、格差は拡大

内閣府は、2006年度県民経済計算によると、1人当たり県民所得は前年度より1.6%増加で、全国平均306万9千円になったと発表した。3年連続の増加となるが、1人当たりの所得の地域間格差を示す指数は16.25%で前年度比0.2ポイント上昇し、地域間格差が広がっていることを物語った。使用済み核燃料の再処理工場が試運転を始めたことなどから製造業の生産が増えた青森県が、増加率11.0%で最も増加した。1位の東京都の482万円と、最下位の沖縄県の208万9千円とでは、273万1千円もの差があった。内閣府は「輸出型産業の多い地域は順調だったものの、公共投資に依存する地域は低迷した」としている。



国の借金、国民1人当たり663万円に

財務省は「国の借金」(国債と借入金、政府短期証券の合計)が2008年末時点で846兆6905億円になったと発表した。昨年9月末時点より3ヵ月で3兆4千億円が増加し、国民1人当たりに換算すると、約663万円となる。08年3月末では約849兆円と過去最高額になった以後、減少に転じてきていたものの、昨年10月に成立した第1次補正予算での経済対策予算確保のために国際を増発したため、増加に転じた。「国の借金」の内訳は、国債が約681兆円、借入金が約56兆円、政府短期証券が約109兆円となっている。



08年、法人の自己破産は1万件を突破

最高裁のまとめによると、2008年の法人の自己破産件数が1万629件と、1万件の大台を突破したことが分かった。3年連続の増加で、1985年以降では最多となった。事業継続を断念し、資産を債権者に分配する司法手続きが法人の自己破産となるが、昨秋以降の急激な景気悪化が1万件突破へと押し上げた恰好だ。また、民事再生法による法人の申し立て件数は前年より205件多い859件だった。個人事業主などの利用が多い小規模個人再生の申立件数は、2万1810件で前年より2776件減少した。また、個人の自己破産件数は12万9508件で、5年連続の減少となっている。



「会社の将来に不安」が転職の理由

リクルートが転職者を対象にした意識調査によると、転職の理由は、「会社の将来性や方向性への不安」が17.3%の最多だったことがわかった。また、33.8%の人が「景況が転職に影響した」と答え、不況で転職を決意した現実が浮き彫りになった。同社では、「急激な経営環境悪化で、倒産懸念など必要に迫られた転職者が増えている」と分析している。転職した人の1人あたりの応募社数は、「2-5社」(29.9%)が最も多く、「6-10社」(25.6%)が続いた。減っていく求人数に対しての危惧感から応募社数を増やす傾向があるとみられる。



消費者金融の過払い返還額、過去最高に

消費者金融大手4社の過去に払い過ぎた利息、いわゆる「過払い金」の返還額は、2008年に過去最高額の2900億円を超える見通しが明らかになった。大手4社の返還額は、06年が1100億円、07年が2700億円と増え続け、08年は2900億円を超える模様。06年1月に最高裁が利息制限法の上限(年15-20%)を超えることを厳格に制限してから、過払い金の返還を求める請求が急増。さらに本年1月、返還請求の時効(10年)を「取引終了から起算する」考えを最高裁が示したため、今後さらに返還請求が増えるものとみられ、返還のための引当金の大幅増を迫られる金融会社にとって、業績を押し下げる圧力となる。



57%がAソ連型インフルエンザに

国立感染症研究所が集計によると、昨年12月の流行入り以降検出されたウィルスのうち57%が「Aソ連型」で、「A香港型」が32%、「B型」が11%という構成だったことがわかった。この冬の「Aソ連型」では、治療薬「タミフル」耐性の遺伝子を持つウィルスが98%の比率で検出された。



公務員の勤勉手当支給は違憲

神戸地裁は、定期的な勤務評定をせずに支給した勤勉手当を返還するように求めた住民訴訟で、「裁量権を逸脱し地方公務員法の趣旨に反する」として支給の違法性を認定した。しかし、返還請求については、「混乱をもたらす」として棄却した。勤勉手当は地方自治体職員の98.5%(2005年度・総務省調べ)が受給し、勤務評定をして勤勉手当を支給している自治体は16.5%にとどまっている。



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