内閣府が経済財政諮問会議に提示した2011年度の基礎的財政収支は、最大で22.1兆円もの赤字となる見通しであることが分かり、政府が目標として掲げてきた11年度黒字化は困難な実勢となった。基礎的財政収支は、社会保障費や公共事業費などの政策経費を新たな借金を行わずに賄えるかどうかの基準指標。今回示された中長期展望によると、世界経済が順調に回復し、社会保障以外の歳出を12年度以降据え置く前提で、15年度に消費税率を10%に引き上げるなどの4パターンを試算しているが、最良のケースでも黒字化の達成は18年度までにずれ込む見通しである。財政再建見通しは大幅に後退した。 |