社会・経済のうごき@しんぶん
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2009年01月13日号

自治体の隠れ債務「30兆円」が浮き彫り

2008年の地方財政健全化法によって導入された地方自治体が将来負担しなければならない将来負担比率によると、これまでは地方債などの残高が中心だったが、退職手当の支払い見込み額も自治体の債務と認定されたことで、隠れ債務が浮き彫りとなった。これまで地方債残高は約2百兆円とされてきたが、今回、退職手当の見込み額が約25兆円に加えて、地方公社や第3セクター、さらには複数の自治体が共同で行う事務組合などの借金で自治体が肩代わりを迫られそうな金額は約5兆円で、トータルで約30兆円が「隠れ債務」と判明した。職員削減や民間委託の加速が自治体に迫られるのは避けられない。



国内新車販売、ピークの90年の65%に

2008年の国内新車販売台数は508万台となり、90年のピーク時の65%にまで減少したと自動車業界団体が発表した。4年連続のマイナスで、ガソリン高騰や昨年央からの世界同時不況によって消費マインドが冷え込んだものと業界ではみている。これまで好調とされてきた軽自動車も前年比2.6%減少の186万台で2年連続の減少となっている。今後、需要回復の兆しも見えない実情にあり、自動車業界にとっては、ハイブリッド車などの環境対応型自動車の低価格での市場供給が求められ、その研究開発が急務とみられる。



08年世界株価は歴史的な下落率を記録

2008年の日米欧アジア株式は軒並み大幅安となり、歴史的な下落率を記録した。日経平均が▲42%、ニューヨーク・ダウ平均が▲34%、ロンドンFTSE指数が▲31%、ムンバイSENSEX(インド株式市場)が▲52%となった。なかでも、上海総合指数は▲65%もの大幅な下落を示すなど、軒並み過去最高水準の下落となった。ニューヨーク・ダウ下落率は、大恐慌当時の1931年以来の水準となった。



08年、日本の人口は過去最大の自然減

厚生労働省の人口動態統計によると、2008年の日本の人口は5万1千人の自然減となることが分かった。戦後初めて2年連続で死亡数が出生数を上回り、自然減少は過去最大となった。同省では、「高齢者死亡が増加し、今後、人口減少の傾向は強まっていく」とみている。また、一人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率の基礎となる15-49歳の女性人口は10年前より約298万人少ない2682万人で、「人口減少の大きな要因だ」と同省は分析している。



交通事故死者数は、8年連続減少に

警察庁がまとめた2008年1年間の交通事故死者数は5155人で、8年連続で前年を下回ったことが分かった。過去最悪だった1970年の1万6千人の約3割にまで減少したことになる。同庁では、後部座席シートベルト着用率の向上や飲酒運転の減少が寄与しているとみている。また、交通事故の昨年の発生件数も4年連続減少の約76万件となった。死亡者数が多かった都道府県は、愛知県、埼玉県、北海道、東京都が続き、逆に最も少なかったのは鳥取県だった。



企業の4割が「若者の離職」を問題視

日本能率協会が行った企業の人事・教育領域の課題に関する調査によると、40.5%の企業が「新入・若手社員の離職」を問題があると考えていることが分かった。調査では、頭を痛める若年層の定着率を図る上で、効果ある施策を尋ねたところ、「業務上の課題やその解決法を上司が助言する“人事考課のフィードバックの充実”」を83.4%の企業が挙げ、次いで「教育研修制度の充実」(82.1%)が続いた。同協会では、新入・若手社員の離職について「採用や教育の費用がムダになるだけでなく、将来の中核を担う人材が抜けることで企業の成長が思い通り行かなくなる可能性がある」と指摘している。



三洋電機、全社員に環境教育を

三洋電機は国内外約10万人の全社員を対象に、eラーニングや教材による研修などによる環境教育を実施し、環境問題への認識と社員の意識を高めていくことにした。太陽電池や充電池などの環境貢献型商品を提供するメーカーとして社員の環境意識を高めていくとし、研修だけでなく、テストも実施していく方針である。



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