社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年12月09日号

分権委、国の規制の4割を不要と表明

地方分権改革推進委員会は、地方自治体の裁量権を縛る国が規制する482法律・1万57項目を精査した結果、4割に相当する4076項目について、廃止または自治体が独自に条例によって改変できるようにすべきであると指摘した。こうした規制は、全国一律基準で拘束されているため、自治体が地域実情に即した運営ができなかったり、過大な出費増大の要因になったりしている自治体もあり、全国一律基準が弊害となっている。同委員会では、地方行政に対する過度の規制をやめ、実情に合った対応が出来るようにすべきと政府に勧告を行う方針である。



携帯電話機器の回収を義務付けへ

経済産業省と環境省は、携帯電話などの小型家電について、2009年中に通信事業者に回収を義務付ける方針を固めた。大型家電や自動車についてはリサイクルを定めた法律があるものの、金や希少金属(レアメタル)を多く含む小型家電のリサイクルには明確に規制する法律がなく、貴重な金属資源を再利用する狙いからもリサイクルの義務付けを判断した。携帯電話販売専門店や家電量販店に回収ボックスを設置するとともに、個人情報保護の立場から漏洩できないように廃棄した携帯電話が起動できなくなる機器の導入を図るとしている。同時に、携帯機器を製造するメーカーに対しても、リサイクルしやすい機器の設計を義務付けるとしている。



農地の借用を原則自由化へ

農林水産省は、農地法を改正して、農地の借用を原則自由化して、企業の参入を促し、大規模化と効率化により、作物の生産性を上げる方針を固めた。1952年からの農地法では農家が自ら農地を所有する「自作農主義」を一貫してきたが、農作物が作られない耕作放棄地の拡大と、商業用地への転用によって、農地減少に歯止めがかからない状態にあり、一大方針転換となったもの。農地の「所有から利用に」と転換する背景には、深刻な食料自給率の低迷もある。農地法改正は、産業構造の転換を図りつつ、成長戦略の柱となるものと位置づけられ、同省では、政府の経済財政諮問会議に諮り、来年の通常国会に農地法改正案を提出する考えだ。



08年ヒット商品番付、横綱に『ユニクロ』

日本経済新聞社は2008年の日経MJヒット商品番付を発表した。東の横綱には、カジュアル衣料品店の「ユニクロ」「H&M」(ヘネス・アンド・モーリッツ)、西の横綱には、プライベートブランドの「セブンプレミアム」「トップバリュ」がそれぞれ就いた。いずれも低価格の提供業者や商品で、08年は年初からの原材料高騰と年央以降の金融危機を背景に、消費者の生活防衛志向とがマッチングしたものといえよう。



08年度の広告費は8.2%の減少に

日経広告研究所は2008年度(08年4月-09年3月)通期における国内広告費は前年度より8.2%減少になるとの予測値を発表した。予測調査によると、上期実績では前年度比5.8%減少にとどまったものの、08年10月以降の下期予測では10%台の大幅な減少が見込まれるとしている。金融危機以降の世界経済減速が大きく影を落としている。広告媒体別にみると、新聞が16.5%、テレビが7.0%と減少が顕著になるとみている。



内定取り消し事態に文科省が動く

文部科学省は来春の就職内定している学生に内定取り消しが相次いでいる事態に、全国の大学や専門学校に対して、学生への支援を行うことを求める通知を出す方針を固めた。現在の職業安定法では、新卒学生等の内定を企業が取り消し場合には、ハローワークか学校に通知する義務を負い、通知を受けたハローワークは必要に応じて企業を指導できる。このため大学がハローワークと連携を強化することで、内定取り消しが妥当かを調査できたり、学生が個人で損害賠償求めたりするよりはスムーズに対応できることになる。



流行語大賞に「アラフォー」「グー!」

2008年の流行語大賞に、「アラフォー」と「グー!」が選ばれた。「アラフォー」はテレビドラマで女優・天海祐希さんが演じた「40歳前後の女性」を評した呼称で、自主性が強くお洒落で派手好みな志向を言い表した。「グー!」はお笑い芸人・エドはるみさんのギャグ。審査員特別賞には、北京五輪で金メダルに輝いたソフトボールの上野由岐子投手が投げ抜いたことを評した「上野の413球」が選ばれた。年間大賞以外のトップテンには、福田首相の辞任会見の「あなたとは違うんです」や、「蟹工船」「埋蔵金」「後期高齢者」が入った。



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