社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2008年12月16日号

米、34年ぶりの大幅な雇用減少に

米労働省は、11月の雇用統計で雇用者数は前月比53万人もの大幅な減少となり、失業率も同0.2ポイント増加の6.7%になったと発表した。今回の大幅な雇用者数の減少は1974年12月に記録した60万人減少に次ぐもので、金融危機が実体経済にもたらした影響の大きさを物語るものである。年初から11月までの減少幅は191万人にも達し、年内には200万人を超えることが確実視され、過去最大の減少幅を記録した1982年の212万人を更新すると予測する向きもあり、まさに歯止めなき失業増となっている。



09年、世界経済の成長率は0.9%

世界銀行は、2009年の世界経済の実質成長率は0.9%に低下するとの予測を発表した。世銀の09年予測では、米国は▲0.5%、ユーロ圏が▲0.6%、日本は▲0.1%と、それぞれマイナス成長となり、中国やインドも減速するとみている。また、世界経済展望によると、08年の成長率予測は2.5%で、09年が底入れし、10年には3.0%まで持ち直すと予測しており、金融危機の影響から回復までの道のりはあと2年を要するとの見方を示している。



企業倒産、5年ぶりの高水準に

東京商工リサーチは08年1-11月の企業倒産件数は1万4284件となり、03年以来の多さになったと発表するとともに、08年暦年での倒産件数は1万5500件まで増えるとの予測も示した。上場企業の1-11月までの倒産件数は30件にも達し、戦後最多も記録。11月の倒産を原因別に見ると、「運転資金の欠乏」が前月比37.2%増加しており、金融機関からの融資が受けられずに、資金繰りが悪化した企業が増えているものとみられる。株価低迷で市場から資金を調達できない大企業が銀行からの借入れを増やす傾向が顕著になってきており、年末に掛けて中小企業の資金繰りが一段と悪化する懸念があり、倒産件数は中小を中心に増加するものとみている。



全国の高校の35%で「求人取り消し」

日本高等学校教職員組合が全国33都道府県・430校を対象に就職実績調査を行ったところ、全国の高校の35.7%で「来春高卒予定の生徒への求人が取り消されるケース」があったことが判明した。これまで「求人取り消しがあった」する学校は、07年が13.8%、06年が15.3%だったことを比較すると、2倍以上に増えていると同組合は指摘している。求人に応じて、学校側では生徒の希望や適性を考慮して企業側と調整することが多く、求人が取り消されると、内定が得られないという状況に結びつきやすくなっている。なお、今回の調査で、「内定取り消し」が5校あった。



改正労基法が成立、2010年施行へ

このほど改正労働基準法が成立した。同法では、長時間残業労働を減らすことを主眼にしたもので、2010年4月から施行される。現行では、残業時間に関わらず割増賃金率を一律25%以上としているが、改正では、①月45時間までは25%以上の割増率、②月45-60時間までは労使協議出割増率を決定、③60時間超は50%の割増率が適用義務付けとなる。中小企業については、60時間超の場合の割増率50%の義務規定を適用せずに、施行から3年後に再検討するとの猶予が設けられている。



高齢化集落住民、「住み続けたい」

国土交通省が、65歳以上の高齢者が半数以上を占める「限界集落」の全国20地区住民を対象にアンケート調査したところ、87%の人が「将来も移転せずに住み続けたい」との意向を持っていることが明らかになった。住み続けたい理由として、「住んでいる家や地域に愛着がある」(44%)、「生活様式を変えたくない」(32%)を挙げた。一方、生活での困りごとや不安として、「近くに病院がない」(21%)、「近くで食料品や日用品を買えない」(16%)が挙げられた。同省では、有識者による「過疎集落研究会」を設置し、限界集落住民への生活関連サービス提供をどう維持するかを検討していくとしている。



理解度テスト 本日(12/16)午後にUP!

《経済・社会ニュース 理解度診断テスト》が、本日午後にアップします。あなたの時事力にチャレンジしてください。
http://www.hopstep.co.jp/cgi-bin/rakuraku/kentei/
kentei.cgi



トップへ