社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年11月25日号

上場会社の倒産、戦後最多に並ぶ

帝国データバンクによると、今年の上場会社の倒産は戦後最多を記録した2002年の29社に並んだことが明らかとなった。今年は不動産市況が悪化するとともに、金融機関からの貸し出しが厳格化し、資金繰りに窮した形での破綻が目立った。サブプライムローン問題を景気とした外資系ファンドの引上げが進んでいるのに加え、一段と貸し出しに慎重な金融機関からの調達が厳しくなることを考慮すると、今後年末にかけての上場会社の経営破綻も危惧されることから、戦後最多件数を更新すると見る向きが多い。



米国の財政赤字は過去最大規模に

米財務省は10月の財政収支が単月規模では過去最大の2371億ドルの赤字になったと発表した。財政赤字は前年同月比で317%もの急増ぶりを示した。サブプライムローン問題などで金融機関に対する公的資金の資本注入が影響したもの。資本注入以外に、米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)などの住宅ローン担保証券を215億ドルで買い取る金融支援の支出も響いた。加えて、景気減速から歳入も前年同月比で7%減少し、歳入と歳出両面から財政赤字を膨らませた格好だ。今後、金融安定化のために最大7千億ドルの公的資金の投入を約束しており、さらなる財政悪化は避けられない情勢にあり、財政立て直しの道筋は見えていない。



乗用車の国内生産、1千万台割れに

2008年度の乗用車の国内生産が1千万台を割り込む見通しとなった。トヨタ自動車はじめ大手8社は1990年代以降、乗用車の海外生産を拡大してきたが、不足分を国内生産での輸出でカバーしてきており、年度当初計画では1040万台の国内生産計画を立ててきたが、米国金融危機後の世界的な景気減速で970万台まで計画を修正し、1千万台を割り込む。海外生産も縮小する意向。このため、大手8社は、期間従業員の更新見送りや新規採用の停止を進め、部品などの関連産業を加えた国内人員削減は1万人を超えるものとみられている。



93%が「高くとも外国産より国産食料を」

内閣府が実施した「食料・農業・農村の役割に関する世論調査」によると、93.9%もの人が「外国産より高くとも食料を国内で作る方がよい」と答え、また、93.2%が「食料自給率を高めるべきだ」として、現状の輸入依存からの脱却を望んでいることが分かった。食料自給率を高めるための施策については、「国内生産拡大に向けた取り組み」が53.1%で最も多く、「食育の推進など消費面からの取り組み」が36.0%で続いた。



国民年金保険料の軽減対象者は増加も

厚生労働省が、国民年金加入者が保険料を免除または猶予制度対象となる人は、所得状況に応じて機械的に算出・分類したところ、3倍の約1500万人に増加する可能性があると発表した。現在の免除・猶予制度は本人が申請の上、支払う保険料が4分の1から全額までの4段階で免除を受けることができるが、将来受け取る年金額が少なくなるため、実際は低所得でも免除を受けずに保険料を支払っている人が約1000万人いると推察される。申請をすれば、免除が受けられる可能性のある約1500万人は国民年金加入者の約8割にも相当し、全てが申請すれば、年金制度の崩壊ともなる。



GDP、2期連続減少で▲0.4%

内閣府が発表した7-9月期の国内総生産(GDP)の速報値によると、実質年率換算でマイナス0.4%となり、7年ぶりに2期連続のマイナス成長となったことが分かった。企業の設備投資が減少し、輸出と個人消費も伸び悩んだことによるもので、今後世界的な不況が本格化してくることを考慮すると、速やかにプラスに転じる気配にはない。記者会見した与謝野経済財政担当相は「良い材料がそろっているとは思わない」と言明し、来年まで低迷は続くとの考えを示した。2002年2月から始まった戦後最長の景気回復局面は、昨年末に終わったと見る向きが多い。



新型インフルで、97%が病院で受診

国立感染症研究所が行った意識調査によると、新型インフルエンザが発生し、自身に発熱などの症状が出た場合、約97%の人が医療機関で受診すると回答した。これにより、政府が想定している発症者の約78%が医療機関での受診をすることを大幅に上回り、新型インフルエンザ対策での医療機関の体制強化の見直しが迫られる。



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