社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年11月11日号

景気判断を全国全ての地域で下方修正

財務省がまとめた全国11地域の7-9月期の管内経済情勢報告概要によると、全ての地域の景気総括判断を前回(4-6月期)より下方修正した。全国総括判断では「各地域で弱い動き」としている。全国11地域全てが下方修正となったのは、1998年4-6月期以来、10年ぶりとなり、地方経済の厳しい現状を浮き彫りにした。欧米の景気減速で自動車産業はじめとする製造業の生産が落ち込んでいるのに加えて、物価高による個人消費の伸び悩みが、景気判断を押し下げている。



黒字申告法人の割合は32.3%に低下

国税庁がまとめた2007事務年度における法人の申告所得金額は前年度比3.1%減少の55兆2871億円になった。景気後退ぶりが税務申告の面からも明らかになった。申告税額は5.2%減少の13兆7千億円で、08年度も金融危機に端を発した株安や円高でさらに法人申告所得は減少するものとみられ、来年度予算編成にも影を落とすことは必至である。黒字申告した法人の割合は前年度比0.1ポイント減少の32.3%に低下した。国税庁では「企業の収益は頭打ちになった」とみている。



民間病院の3割強が赤字経営に

全日本病院協会が行った「2008年度の病院経営調査」によると、医療・介護関連の収支率が赤字になった病院は6年ぶりに3割を超えて32%に上ることが分かった。前年度比8ポイントもの増加で、東京都では半数以上の病院が赤字なるなど都市部ほど深刻な実態がある。前年度よりも病床の稼働率が低下したのに加えて、自己負担が増した患者が受診を抑制したことによる外来患者数の減少が背景にある。今年度、医師技術料の診療報酬が引き上げられたが、経営悪化を止めるだけには至らず、同協会の幹部は「診療報酬改訂で病院経営が良くなる傾向はみられない」と指摘している。



無保険状態の子供は約3.3万人に

厚生労働省が、全国の市町村からの集計を基にした調査で、親が国民健康保険料を滞納したことによって、無保険状態にある中学生以下の子供が3万2903人に上ることが明らかになった。1年以上の滞納で保険証を市町村に返還させられ、医療機関の窓口で医療費を全額支払う必要のある「資格証明書」が交付されるが、交付世帯数は約33万世帯で、このうち約1万8千世帯に中学生以下の子供がいた。同省では、必要な医療を受けられない子供が出ないよう、急病などに迫られた場合は有効期限の短い保険証を交付するなどの緊急避難的な「きめ細かい」措置を取るように自治体へ要請した。



首都直下地震で、トイレ不足の危惧が

国の中央防災会議はマグニチュード7.3(震度6強)の首都直下型地震が発生した場合、被災者が徒歩帰宅する際に、東京都23区内のうち12区で避難所となる学校などのトイレが使えないという不足状態に陥るとの予測を公表した。地震発生で約1300万人が徒歩帰宅を余儀なくされ、帰路で2時間に1度トイレを使用すると想定して試算したもの。このため、同会議では、「携帯用を準備したり、普段からトイレの位置を把握するなどの自己対策を取ること」を呼び掛けている。



子供の自殺兆候を教員マニュアルに

文部科学省の有識者会議は、子供の自殺防止対策の観点から、教員が注意を払うべき、自殺の兆候となる素行や言動をまとめたマニュアルの素案を作成した。子供が自殺の前兆として発するサインとして「いつもなら楽に出来る課題ができない」「投げやりな態度が目立つ」「過度に危険な行為に及ぶ」などを挙げ、教員が一人で抱え込まずに、チームで対応することを提言している。



スーパー大手が相次ぎ値下げ戦略

大手スーパー各社は、個人消費の低迷が続く中にあって、相次いで値下げによる低価格販売戦略を展開している。イオングループはPB商品の大幅な値下げを行うとともに、西友で食品・日用品・玩具など約1700品目もの広範囲な品目を5-30%値下げする。こうした大手スーパーの動きは、地方スーパーにも波及し、今後、スーパーの値下げ基調は消費低迷の中、定着していくものとみられる。



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