社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年10月28日号

各国で外貨準備高が減少に転じる

国際通貨基金(IMF)や各国中央銀行の調べによると、今年前半まで増加傾向にあった各国が保有する外貨準備高が減少に転じていることが鮮明になった。外貨準備高上位10カ国でみると、中国と香港を除いては減少に転じ、減少率が最大だったロシアでは8月のピーク時より11.2%も減少している。この背景には、米国発の金融危機で新興国から投資マネーが流出したことにより、新興国が自国通貨を守る上から、自国通貨買い・ドル売りを行ったことによるもの。ドル売りが加速すれば、米国での金利が上昇に転じ、景気に一段の悪影響を及ぼしかねない。外貨準備高には、米国債や預金、金なども含まれる。



来月末、29万人の裁判員候補者に通知

最高裁は、来年5月からスタートする裁判員制度に備え、11月末に全国約29万5千人の裁判員候補者に対して通知書を一斉に発送する。自宅宛の「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」と題した通知では、辞退に関するマークシート方式の調査票も同封され、返送用の封筒で回答を求められる。回答された調査票をもとに各地裁の裁判官が候補者として呼び出すかどうかが検討される流れとなっている。今回の通知に乗じて、裁判所職員を名乗って、裁判員候補者に選出された旨を告げ、個人情報を引き出される懸念もあることから、最高裁は「電話やハガキで候補者に選ばれたことを伝えることはない」と注意を喚起している。



33道府県で「据え置き」の人事院勧告

2008年度の都道府県の職員給与に関する人事院勧告が出揃ったが、33道府県では民間企業との給与格差が小さいため、給与や期末・勤勉手当を据え置くように勧告したことが分かった。引上げ勧告が行われたのは12県だが、「財政も厳しい状況にあり、慎重に対処する」との知事の声もあり、引上げには依然消極的な向きが多い。一方、東京都と鳥取県では民間給与よりも高いとして給与引き下げの勧告が行われた。また、地方の公立病院の医師不足が深刻化する中で、大半の都道府県の人事委員会では、給与に上乗せする初任給調整手当ての増額をするよう勧告し、医師不足解消の改善に向けた勧告が目立った。



高校入学から大学卒業まで1023万円

教育ローンを行っている日本政策金融公庫が、同ローン利用している世帯を対象に教育費の実態調査をしたところ、高校入学から大学卒業にかかる教育費は子供1人当たり平均で1023万円に達することが分かった。内訳をみると、高校3年間に必要なお金が326万円で、大学4年間では697万円となる。年収別に教育費の負担割合をみると、年収900万円以上の世帯は23%だったのに対して、400万円以上600万円未満の世帯では34%、200万円以上400万円未満の世帯では56%を占め、年収が低いほど教育費負担の重圧が大きくなっている。教育費捻出の方法(複数回答)を尋ねたところ、「教育費以外の支出を削る」が最多の61%で、「奨学金」が49%、「本人のアルバイト」が42%となっている。



百貨店売上高、7ヶ月連続で前年割れ

日本百貨店協会が発表した9月の全国百貨店売上高は前年同月比4.7%減少し、7ヶ月連続の前年割れとなったことが分かった。とくに、ハンドバックや靴といった身の回り品が8.8%減少した。また、美術・宝飾・貴金属は6.4%減少し、マイナスが19ヶ月連続となっている。売上高の主力を占める衣料品も4.8%減少。同協会では「消費マインドの冷え込みが米国発の金融危機で一層強まり、入店者数では前年を上回るものの、購買までにつながっていない」と指摘している。



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