日銀統計によると、7月末の民間銀行の預金残高は549兆円だったのに対し、貸出金は404兆円にとどまり、預金超過額は145兆円に達していることが分かった。2000年に約20兆円だった預金超過額は、02年の金融危機以後、リスクを敬遠して銀行に集中してきている実態がある。また、預金に対する貸出金の比率である「預貸率」は70%台に低迷し、企業の設備投資などでの融資も減少傾向にある。銀行に滞留する資金の増加は、株式投資や設備投資に向かうことがないため、日本の経済全体へマイナスの影響を及ぼしかねない。事実、投資へと振り向けられる投資信託への資金流入も、今年1-7月は前年同期比約8割も減少している。 |