社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2008年09月10日号

国の特別会計剰余金は42.7兆円に

財務省がまとめた資料によると、28ある国の特別会計の2007年度決算は、歳入総額が395.9兆円、歳出総額が353.2兆円で、差し引き、剰余金が42.7兆円にも達することが分かった。このうち、一般会計に繰り入れられたのは僅か1.8兆円だけで、剰余金の殆んどが積立金や翌年度繰越に回ったことになる。剰余金や積立金は「埋蔵金」とも呼ばれ、無駄な支出の温床として指摘されており、一般会計への繰り入れを求める声が強まりそうだ。剰余金が多かった順にみると、国債整理基金の28.3兆円、外国為替資金が3.9兆円、財政融資資金が2.5兆円などとなっている。



後期高齢者の1人当り医療費は64万円

厚生労働省は、2006年度に医療機関に支払われた医療費総額は33兆1276億円に達したと発表した。4年ぶりの減少だが、06年度は診療報酬引き下げによる医療費抑制が行われたにも関わらず、医療費の膨張圧力が強く、減少額は前年度比13億円に留まった。国民1人当りの医療費は過去最高の25万9千円。65歳以上の後期高齢者の1人当たり平均医療費は64万3千円で、65歳未満平均の15万8千円の4倍強に達している。国民医療費を傷病別にみると、脳梗塞や心筋梗塞など循環器系の疾患がトップの23%で、がんが11.5%、呼吸器疾患が8.5%となっている。



NTT東日本、全社員対象の在宅勤務導入

NTT東日本は、2009年度から5万人の全社員を対象にした在宅勤務制度を導入することになった。在宅勤務にあたっては、安全性と機密性の高い次世代ネットワーク(NGN)を活用し、職場と同じ環境で業務ができるようにする。在宅勤務の社員には、自宅に情報が残らない、記憶装置のない「シンクラアント」と呼ばれるパソコンが貸与されて、自宅で業務を行うことになる。在宅勤務導入の背景には、働く時間を自由に選択し、社員の意欲を高めて、生産性の向上を図る狙いがある。同時に、同社では、在宅勤務を検討している他の企業に対して、回線の不正アクセスを防御し、高いセキュリティ機能を持つNGNを売り込む狙いもある。



93%の人が「将来、大地震は起きる」

明治安田生命保険が行った震災に関するアンケート調査で、回答者の93.1%の人が「大地震が発生する」と予想していることが分かった。その一方で、48.7%の人が「震災に対する備えをしていない」と回答しており、大地震への無防備ぶりが明らかになった。同社では、「具体的に何を準備したらいいのかが分からない人が多いのでは」と分析している。また、諺の「地震、雷、火事」の後に続く「怖いものは」との問いに対して、「老後の生活」と答えた人が67.3%にも達し、将来への不安が根強いことを浮き彫りにした。



ワークバランスには程遠い実態

内閣府が行った「仕事と生活の調和(ワークバランス)に関する意識調査」によると、「生活の中で仕事優先を希望する」が2.0%だったのに対して、現実では「仕事優先になっている」と答えたのが半数近い46.6%に上り、希望と現実のギャップがあることを裏付けた。ワークバランスで企業での必要な取り組み(複数回答)として、「無駄な業務・作業をなくす」が87%で最も多く、「管理職の意識改革」(82.9%)、「社長や取締役がリーダーシップを発揮する」(82.4%)といった、上司やトップの姿勢が重要であることを指摘している。



25億人が衛生的なトイレを使えず

世界保健機構(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)は世界の衛生設備についての報告書で、世界で25億人が衛生的な清潔トイレを使えず、そのうち12億人は野外で用を足していると指摘した。国連のミレニアム開発目標では「2015年までに衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半減する」としているが、それら施設を利用できていない人は世界全体の62%に達しており、対策の強化を求めている。不十分な衛生設備を原因とする感染症によって、多くの子供たちの命が奪われていくと警告を発している。
とくに、報告書では、インドやパキスタンなどの南アジアでは、全人口の半数近い48%の人々が野外で用を足しているほど深刻な実情にある。



トップへ