社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年07月15日号

公的年金の運用利回り、5年ぶりマイナス

年金積立金管理運用独立行政法人は、2007年度の公的年金の積立金の市場運用利回りがマイナス6.41%となり、運用損失は5兆8千億円に達したと発表した。運用利回りがマイナスに転じたのは5年ぶりで、サブプライムローン問題で国内外の株安が大きく影響した。国内株式がマイナス27.97%、外国株式はマイナス17.1%と運用成績が悪かったのに対して、資産の6割を占める国内債権利回りは金利低下(債券価格は上昇)によりプラス3.31%の安定収益を確保している。株安が長引き、運用の低迷が続けば、財政を圧迫する要因となり、年金保険料の引上げといった形での国民負担となる可能性も否定できない問題もはらんでいる。



温暖化で家計負担の許容は1000円まで

内閣府が行った「地球温暖化対策に関する世論調査」によると、省エネ家電への買い替えや電力料金引上げなどで増える家計負担の許容範囲は「月額500円以上1000円未満」と答えた割合が最多の24.4%であることが分かった。次いで、「500円未満」が21.8%、「まったく負担したくない」が17.0%となっている。また、少数の4.0%だが、「月5000円以上増えてもよい」とする回答もあった。さらに、日本が温暖化ガス削減でどう取り組むべきかの問いに対しては、「日本を含めた先進国が途上国よりも削減すべきだ」(30.0%)と、「全ての国が同じ程度の割合を削減すべきだ」(28.9%)の意見がほぼ拮抗した。



国内の新車販売、25年ぶりの低水準に

2008年上期(1-6月)の新車販売台数は前年同期比2.0%減の279万台弱にとどまったことが自動車業界団体のまとめで分かった。前年割れは3年連続で、1983年以来25年ぶりの低水準になっている。新車を買い換えるサイクルが長期化していることに加えて、ガソリン高もあり、車離れ傾向が続いている。下期も、ガソリン高だけでなく、鉄鋼などの原材料の高騰による新車値上げなども予想されており、一段の「販売不振」が続くものとみられている。



奨学金返済の9ヶ月滞納には法的措置

日本学生支援機構は、奨学金の返済が9ヶ月以上滞った者に対して、支払督促申し立てや強制執行などの法的措置を執ることとした。また、返済促進策として、卒業生の返済延滞が改善しない大学を公表するとしている。奨学金は進学率の上昇に伴って拡大を続けている一方で、2007年度末の奨学金の延滞学は2252億円にも達している。今回の法的措置と併せて、返済開始を現行の10月をボーナス支給時期となる7月に繰り上げることや、源泉徴収と同じ仕組みで給与から天引きすることなども検討している。



消費者の89%が「1年後物価上がる」

消費者の88.9%が「1年後、物価は上がる」とみていることが、日銀の6月の生活意識に関するアンケート調査で分かった。1997年3月の調査開始以来、最大となった。また、景況感が1年前と良くなったと答えた割合から悪くなったと答えた割合を差し引いた個人の景況感DIはマイナス67.3となり、前回3月期調査よりも9.6ポイントと急激に下降し、5年3ヵ月ぶりの低水準になった。みずほ証券の上野チーフエコノミストは、「賃金上昇が伴わない悪い物価上昇が進み、消費者の景況感は一段と悪化し、生活防衛の姿勢を強め、消費は弱くなる」と指摘している。



自殺は、うつ・負債など4要因が連鎖

自殺防止に取り組んでいるNPO自殺対策支援センター「ライフリンク」が、自殺した遺族の聞き取り調査や警察庁のデータを分析した「自殺実態白書2008」によると、うつ病・負債・家庭不和など、平均で4つの要因が連鎖して、自殺に追い込まれているとの結果を公表した。調査では自殺要因を68に分類し、遺族から聞き取りした結果を総合したもの。最も多い要因は、「うつ病」で、次いで、「家庭不和・負債・身体疾患・生活苦・職場の人間関係・職場環境の変化・失業・事業不振・過労……」が続いた。



夏休み旅行は海外・国内とも減少

JTB行った夏休み期間の旅行動向調査によると、海外旅行は前年同期比7%減の225万人、国内旅行も同0.9%減の7350万人になることが分かった。海外旅行の減少は航空運賃に加算される燃油サーチャージが昨年の2倍になったことも要因。国内外合わせた総旅行消費額は前年比2.3%減の3兆1713億円となる。



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