社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年05月20日号

世界で食料・エネルギー価格、同時上昇

経済協力開発機構(OECD)は加盟する30カ国のデータをもとに算出した3月の消費者物価指数は前年同月比3.5%上昇。内訳をみると、食料が5.1%、エネルギーが13.3%も上昇している。投資マネーが穀物や原油に流れ込んでいるものとみられる。過去、食料とエネルギーの上昇率は逆相関に動く傾向を示してきたが、両者が同時に上昇するのは初めてで、今後、世界的に両者の上昇が実質賃金の低下を招き、家計消費の伸びが鈍化すれば、世界景気に悪影響を及ぼしかねない。インフレ警戒感は一層強まり出した。



長期金利、ジワリと上昇基調へ

財務省が実施した5月発行分の10年物国債入札で表面利率を前月比0.4%上回る1.7%に引上げ、長期金利が上昇傾向(国債価格は下落)を強め出した。2003年9月に0.6%引上げて以来、4年8ヶ月ぶりの大きな引き上げ幅となる。金利引上げで投資家の国債への購入意欲も高まるとの見込みもあったが、応札倍率は順調の目安となる3倍を下回る、2.5倍となった。大和証券では「連日最高値を更新する原油価格の高騰がインフレ懸念の要素となり、長期金利はさらに上昇するとのリスクが意識されだし、入札は不調だった」とみている。長期金利の上昇は、企業への貸出金利や住宅ローン金利も連動して上がり、一段と景気を押し下げる圧力となりかねない。現在の金利水準が続けば、次回の7月分の表面利率はさらに大幅に上昇するとみられている。



雇用保険の国庫負担を09年度に廃止へ

財務省は、雇用保険制度で国が負担している1600億円の拠出を09年度から廃止する方針で、財政制度等審議会に提案する。社会保障費の自然増分を年2200億円圧縮するとの目標に沿ったもので、雇用保険の積立残高が08年度末で過去最高の4.9兆円に達しており、失業給付に支障はないと判断したもの。積立残高は失業手当の給付額の3年分に当たる。しかし、厚生労働省は雇用保険の国庫負担を育児休業支援に充てるよう主張しているとともに、企業や労働組合は雇用保険料の引き下げを求めており、夏の来年度予算の概算要求を前に攻防が繰り広げられそうだ。



加工食品15品目中、12品目で値上げ

農林水産省が本年1月から実施し始めたチーズなどの加工食品の全国価格調査によると、対象となった15品目中、4月下旬時点での調査では12品目が1月に比べ上昇していることが分かった。上昇率が大きかったのは、乳製品の原料高騰を受けた国産チーズ(上昇率25.5%)、マーガリン(同13.1%)で、次いで小麦や大豆を原料とする味噌(同12.8%)や即席めん(同10.0%)も目立った。同省では、「農産物そのものの価格上昇に加えて輸送コストがかさんでいる」と分析している。同省ホームページで、週1回の調査結果を公表している。



65%が「年金が生活費に足りない」

内閣府がこのほど発表した2006年度の「高齢者の経済生活に関する意識調査」によると、60歳以上の高齢者で「年金が生活費に足りない」と思う人は、前回調査の01年度より10.3ポイントも増え、56.9%に達したことが分かった。一方、「年金で生活をまかなえる」人は32.7%で、前回調査より6.8ポイント減少した。また、日常で負担を感じる支出では「医療費」が46.0%で最多となっている。



3人に1人がメタボ対策を実践

内閣府が行った「食育に関する意識調査」によると、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防や改善を図るために、適切な食事と定期的な運動を心掛けている人は、3人に1人であることが分かった。食事や運動の実践について、「半年以上継続している」と答えた人は30.3%で、「半年未満だが継続している」は3.9%だった。食事や運動の実践は、男性は60歳代と70歳以上、女性は60歳代のそれぞれの層で4割を超えており、高齢者層の実践度合いが高いものとなっている。



「日本語の乱れ」に揺れ戻し傾向か

旺文社が全国の小中高生を対象にした調査で、「言いたいことが伝われば、きれいな日本語を話さなくてもよいと思うか」と尋ねたところ、60.2%が「思わない」と答え、02年の前回調査より17.5ポイントも大幅に増えた。同社では、「日本語の乱れが指摘されるが、児童・生徒も一応は自覚している」とみており、「美しい日本語」復権に向けた揺れ戻し傾向が窺える。



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