財務省が実施した5月発行分の10年物国債入札で表面利率を前月比0.4%上回る1.7%に引上げ、長期金利が上昇傾向(国債価格は下落)を強め出した。2003年9月に0.6%引上げて以来、4年8ヶ月ぶりの大きな引き上げ幅となる。金利引上げで投資家の国債への購入意欲も高まるとの見込みもあったが、応札倍率は順調の目安となる3倍を下回る、2.5倍となった。大和証券では「連日最高値を更新する原油価格の高騰がインフレ懸念の要素となり、長期金利はさらに上昇するとのリスクが意識されだし、入札は不調だった」とみている。長期金利の上昇は、企業への貸出金利や住宅ローン金利も連動して上がり、一段と景気を押し下げる圧力となりかねない。現在の金利水準が続けば、次回の7月分の表面利率はさらに大幅に上昇するとみられている。 |