社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年07月01日号

目立つ新興国の企業での株式時価総額

野村證券が集計した世界の企業の株式時価総額をみると、原油高騰を背景に、エネルギー会社が上位3位までを独占したことが分かった。首位は米のエクソンモービル(前年2位)、2位に中国の中国石油天然気(同1位)、3位にロシアの天然ガス会社のガスプロム(同7位)。米銀のシティグループに代表される金融機関やIT企業などは後退し、世界企業の主役が交代した感がある。また、ブラジルの石油会社のペトロブラスが前年12位から5位に躍進するなど、ロシアやブラジルといった資源を持つ新興国の躍進が目立った。日本勢では、トヨタ自動車(21位)、三菱UFJファイナンシャルグループ(57位)、任天堂(82位)、NTT(93位)の4社が世界100社以内に入った。



家庭用太陽光発電に補助金や税優遇

経済産業省がまとめた新エネルギー政策によると、2020年までに「新築住宅の7割以上が太陽光発電を採用しなければならない」という目標を掲げ、その普及のために、太陽光発電システムを設置する場合に費用の一部を補助したり、税制上の優遇措置を講ずる方針を固めた。また、石油元売会社やガス会社が家庭や企業に化石燃料を元にしたエネルギーを供給する場合、バイオ燃料や太陽熱などの化石燃料以外の燃料を一定以上利用することを義務付ける制度を創設する考えだ。これら新法を来年1月の通常国会に提出し、早ければ2010年から施行するとしている。



地方有料道路の将来維持に2200億円

大阪大学の赤井准教授の研究グループは、高速道路の3公社を除いた地方の39の道路公社が運営する有料道路を維持するためには、地方自治体の将来負担は2200億円を超え、財政難にあえぐ地方自治体にとってさらに重荷となるとの算出結果を発表した。自治体の将来負担を算出するに当たっては、政策コスト分析の手法で計算され、現在、収支が黒字またはトントンでも、将来負担が必要であるとの計算結果が出された訳だ。自治体が運営する公社の中で、道路公社は単年度損益で黒字が多く、土地開発公社や住宅供給公社などと比較して問題が少ないとされてきたが、今回の計算で将来負担が大きいことが判明した。



医療・がん・年金保険が死亡保険を超す

生命保険協会に加盟する40社が販売する医療・がん・年金保険の契約件数は、08年3月末で前年同期比4.3%増の5326万件に達したのに対して、生保の主力商品だった死亡保険は同0.4%減の5093万件となり、初めて死亡保険を上回った。とくに、医療保険と年金保険の伸びが著しい。医療保険は5年前の1.8倍、運用成績によって受け取る年金が増減する変額年金は5年前の9倍にも達する勢いだ。同協会の岡本会長は「少子高齢化で死亡保障から医療、年金に契約がシフトしている」と、長寿への備えを動機とした契約ニーズの高まりを伝えている。



銀行の最終利益が37%減少に

全国銀行協会に加盟する124行の3月期決算における最終利益は2兆1246億円となり、前年同期比で37%もの減少となったことが分かった。サブプライムローン問題で金融市場が混乱したことで、保有する株式や証券化商品などの有価証券の減損処理が減益要因となった。これにより、不良債権比率は前年より0.19ポイント低下し、2.48%となった。



リース取扱高は12ヶ月連続減少に

リース事業協会は、5月のリース取扱高が前年同月比21.8%もの大幅な減少となり、集計開始した1976年以降では最大の落ち込みとなったと発表した。リース取扱高の減少は12ヶ月連続となる。5月のリース取扱高の内訳は、パソコンなどの通信機器が23.9%減(前月期比)、事務用機器が20.8%減(同)、産業機械が23.7%減(同)が目立った。中小企業での設備投資への落ち込みが響く一方、大企業でも2009年3月期からリース導入した設備を資産計上しなければならないというリース会計基準の変更をにらんだ形でのリース利用を抑える傾向があるようだ。いずれ国内経済の先行きへの警戒感が底流にあることは否めない。



小中校の教材費の1/3を他経費に

文部科学省の調査によると、2006年度に地方自治体に教材購入費として交付された813億円のうち、280億円が教材以外に使途されていたことが分かった。図書購入費でも約2割が目的外使用されている。交付される配分額は使途が限定されないことから、財政難が続く自治体が他の支出を賄う経費に振り向けている実態がある。



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