社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年06月24日号

最低賃金、高卒初任給を目安に引上げへ

政府・労働者・使用者の3者が参加する政府の「成長力底上げ戦略推進円卓会議」は、最低賃金を2012年度までに中長期的に引き上げることで合意し、その目安を小規模事業所の高卒初任給のうち最も低い水準とすることとした。最低賃金は、毎年、都道府県ごとに定められ、07年度は全国平均で時給687円となっている。今回の引上げ合意によって、「働くより生活保護を受けた方が所得が多い」という、月給が生活保護の支給額を下回るねじれ現象は解消される方向に向かうとみられる。ただ、小規模事業所については、賃金水準の低い「従業員20人以下」を経営者側が主張するのに対して、賃金データのある「従業員10-99人」を労働側が主張しての対立があり、目標とする具体的な引上げ額は示されていない。



政府提出法案の成立率は78.8%

6月20日で閉会した今国会で、政府が提出した法案は80法案だったが、このうち成立したのは63法案で、その成立率は78.8%となり、9割前後だった近年の成立率から見ると、大幅な低下となった。衆参での与野党ねじれ現象が背景にある。当初、予算関連法案の成立が1ヵ月半も遅延したこともあり、法案成立率は6割台とも見られたが、国家公務員制度改革基本法など8法案が民主党などの修正意見を取り入れた形で成立率を伸ばした。また、ねじれ現象から、強行採決は昨年の19回から6回にまで大幅に減少した。



家計金融資産、3年ぶりに1500兆円割れ

日銀は家計が保有する金融資産残高は2007年度末時点で1489兆円となり、3年ぶりに1500兆円を割り込んだと発表した。前年度比で3.6%の減少で、株価の下落による保有株式の評価が目減りしたことによるもの。保有する金融資産を項目別にみると、株式は前年度比30.5%減少の139兆円と大幅に落ち込んだが、逆に現預金は0.8%増の775兆円となり、過去最高を記録した。リスクを避けて、安全な現預金に振り向ける姿勢が伺える。



脱税総額、過去5年間で最高の353億円

国税庁は、2007年度中に全国の国税局が強制調査(査察)で摘発した脱税事件は218件で、加算税を含む脱税総額は353億円に上ったと発表した。過去5年間では最高額となった。税目別では消費税の脱税が目立ち、告発件数は過去最多の30件にも達した。同庁では「消費税は生活に身近で国民の関心も高く、調査には力を入れている」としている。



全建物に太陽光発電などを義務付け

フランス政府は、温暖化ガス排出を大幅に削減するため、2020年以降に建設する一般住宅を含めた全ての建物に太陽光・風力発電を義務付けるほか、石油・石炭などの化石燃料による発電所の使用をゼロにする包括対策法案をまとめ、近く議会に提出する。太陽光や風力発電などによる再生可能エネルギーを発電量の20%まで押し上げ、残りの80%を現在の原子力発電で賄うことにして、化石燃料の発電を不要にして、二酸化炭素(CO2)の排出量をゼロにする方針である。



官公需の51%を中小企業に発注

政府は、2008年度に省庁などが発注する官公需のうち51%を中小企業と契約する方針を決めた。原油高騰などを背景に中小企業経営が悪化している現状を考慮しての決定で、具体的な発注方針として、農商工連携促進法の施行に対応して、中小企業が農林漁業者と連携して作った製品の調達を促すとしている。農商工連携は今後の中小企業のビジネスチャンスの切り口ともいえよう。ちなみに、前年度の実績は47.8%だった。



2008年上期のヒット商品はPB

日本経済新聞社がまとめた2008年上期のヒット商品番付によると、東の横綱に「プライベートブランド(PB)」、西の横綱に「糖質・糖類ゼロ」が掲げられた。食料品の相次ぐ値上げを背景に、イオンの「トップバリュー」などのプライベートブランド品がメーカー品より割安をアピールして売上げが急増したことが要因。また、メタボリック対策での糖質・糖類ゼロのアルコールや缶コーヒーが売上げを伸ばしたことによる。



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