社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年06月17日号

出生率は2年連続上昇も、件数は減少

厚生労働省によると、2007年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子供の数)が前年より0.02ポイント上回る1.34になったことが分かった。出生数は前年より3千人少ない108万9千人。15歳から49歳までの出産期の女性人口が減少したために、出生率は上昇し、出生件数は減少したもの。依然、少子化傾向には歯止めがかかるまでには至っておらず、将来の年金制度維持にも大きな影を落としている。出生数から死亡数を差し引いた自然増加数はマイナス1万9千人で、今後も人口の自然減傾向は続くと見られる。



輸出額は4年半ぶりにマイナスに

財務省が発表した2008年5月上中旬の貿易統計速報によると、輸出総額が4年半ぶりに前年同月比を1.0%減少のマイナスに転じることが明らかになった。輸出は日本経済を支える原動力ともいえるが、今回マイナスに転じたことで、経済回復の軌道にかげりが見えてきた可能性は否定できない。自動車や自動車部品が落ち込み、輸出先でも米国向け(1.9%減少)や欧州向け(9.0%減少)が落ち込む一方、原油や食糧の高騰などで輸入は8.9%増加している。



ガソリン価格、初の170円台に乗せる

石油情報センターが6月2日時点でのレギュラーガソリンの給油所店頭価格(全国平均)は1リットルあたり171.9円となり、調査開始以来、初めて170円を突破し最高値を更新したことが分かった。背景には、原油高騰を受けて石油元売り各社が6月の卸値を大幅に引き上げたことがある。最も高い地域は四国での172.8円で、最も低い地域は九州・沖縄での170.6円で、1リットル当たり2.2円の格差もあった。急激な価格高騰で、給油所への客足は遠のき、消費者の買い控えもみられ、給油所経営は一段と厳しさを増してきているとみられる。



女性の活躍は地域を活性化させる

閣議決定された「2008年版男女共同参画白書」によると、女性が中心的役割を果たす活動は地域を活性化させるとの見解を示した。同白書では、女性が活躍している、まちづくりや教育分野での活動の16の具体的事例を紹介しながら、地域活動に携わる女性の役割に焦点を当てている。女性の参画が最も多かったのは、まちづくりだった。



企業物価指数が4.7%の上昇に

日銀は、5月の国内企業物価指数(2005年=100)が前年同月より4.8%上昇し、108.7となったと発表した。上昇率は第2次オイルショックが影響した1981年2月(5.7%)以来、27年3ヵ月ぶりの高い水準となった。原油や穀物高騰などの高騰が大きく影響している。企業物価指数は、企業間取引における物価変動を表したもので、以前は卸売物価指数といわれていたように、企業物価指数の大幅な上昇は、今後川下の消費者物価指数を押し上げる要因ともなり、景気への影響が懸念される。



育児支援で2制度を企業に義務付け

厚生労働省は、仕事と子育ての両立(ワークライフバランス)を支援する狙いから、3歳未満の子供を持つ社員を対象に短時間勤務と残業免除制度を企業に義務付ける方針を固めた。現在、育児・介護休業方では、短時間勤務・残業免除・フレックスタイム・始業と終業時間の繰り上げ繰り下げ・企業内託児所の設置の5つの中から最低1つを実施することを義務付けているが、同省は短時間勤務と残業免除が最も有効と考えて、2制度を企業に完全に義務付けることにしたもので、来年の通常国会に育児・介護休業法を提出する方針である。



1バレル150ドルなら漁業の4割廃業

全国漁業協同組合連合会は、原油高騰が漁業経営に及ぼす影響の試算結果を発表した。これによると、燃料費の基準となる中東産ドバイ原油が1バレル150ドルまで高騰すると、全国に約12万5千ある漁業経営体の約4割にあたる4万5千が廃業する可能性がある。その廃業に伴って、年間567万トンの漁業生産高も約半分に減少するとしている。試算結果をもとに、漁業団体は流通業界や消費者に価格引上げの理解を求めていくととともに、政府に対して財政支援を求めていく考えだ。



25-29歳女性の59%が未婚

国勢調査によると、25-29歳女性の未婚率は2005年時点で59%に達し、35年前の18%と比べて3倍強に増加している。未婚率は一度も結婚していない人の比率を示す割合。30-34歳男性の未婚率は47%で35年前より4倍に増えている。未婚率の増加は少子化に直結し、日本経済の活力を削ぐ結果ともなることが懸念されている。



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