社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2008年03月25日号

『景気の踊り場入り』を政府が認める

内閣府は月例経済報告で、「景気回復はこのところ足踏み状態」との基調判断を示した上で、経済財政担当相は「景気は踊り場的な状態にある」と表明した。2002年2月に始まった現在の景気回復は「いざなぎ景気」を上回る戦後最長の景気拡大局面だが、景気の回復が一時的に停滞する状態を指す「踊り場」との表現を用いた。今回の景気判断では、「設備投資」「生産」「企業収益」の3部門が下方修正された。円高に加え、原油価格の高騰で企業収益への懸念が強まり、政府内には先行きに明るい材料が乏しいとの観測が広がっている。エコノミストの間では「景気は既に後退局面に入った」と見る向きが多い。



5年ぶりに「代位弁済額」は増加へ

全国信用保証協会連合会によると、2007年度の代位弁済額は07年4月から08年1月までの10ヶ月間で6449億円に達し、前年同期を15%も上回り、年度換算では5年ぶりに増加に転じることが確実となった。代位弁済は、中小企業が金融機関から借り入れる際に、信用保証協会が保証金を受け取り、企業が倒産などで借入金を返済できない場合に、金融機関へ肩代わり返済する。地方での景気回復の遅れに加えて、原材料の高騰が中小企業経営を圧迫している状況が背景にある。代位弁済額を地域別にみると、愛媛県が前年同期比で2倍に達しているほか、鹿児島県や北海道も同7-8割も増加している。



23の道県が職員基本給カットを予定

日本経済新聞社が大阪と熊本を除く45都道府県を対象に08年度予算案についてのアンケート調査をしたところ、半数を上回る23道県で一般職員の基本給カットを予定していることがわかった。基本給カットを実施する県は岩手や佐賀をはじめ昨年度より6県増加した。また、公共事業予算も全体で前年度比4.7%減額する予定で、39道府県が減らすとしている。こうした基本給カットや公共事業費削減が進んでいる背景には、08年度決算から適用される地方財政健全化法によって厳しく自治体財政がチェックされる前に財政健全化を急ぐ自治体事情がある。3年間、基本給を4%カットする佐賀県知事は「この財政状況では職員に協力してもらうしかない」としている。



中国の物価高、半数が「耐えられない」

中国人民銀行が2月に行ったアンケート調査で、「物価が高すぎ、受け入れがたい」とする人が半数近くの49.2%にも達することが分かった。3ヶ月前より1.6ポイント上昇し、過去最高となった。中国の消費者物価指数は前年同月比8.7%も上昇し、11年9ヶ月ぶりの高水準。中国政府は08年の消費者物価指数の上昇率を4.8%に抑える目標を掲げたが、年初からつまづいた形だ。中国政府にとってインフレ抑制は大きく重い経済課題である。



長野県が情報公開度、2年連続NO.1

全国市民オンブズマン連絡会議が発表した2008年の情報公開度ランキングによると、長野県が都道府県ではトップになった。情報公開度ランキングは、同会議が各自治体へ情報開示請求した結果と本年1月時点でのインターネットでの公開状況などを100点満点で採点したもので、長野県は80.6点を獲得し、2年連続で1位となる。2位には北海道と宮城が並び、広島が最下位。今回のランキングで、山梨は県職員の天下りに関して透明度を高めた結果、前年37位から6位に躍進し、他方、幹部職員の交際費を限定的にしか公表しなかった静岡は10位から39位に転落したのが特筆される。



勤務医の短時間雇用制を導入

厚生労働省は、全国的な勤務医不足に対応するため、短時間労働でも正規の雇用扱いとなる制度を導入するよう全国の都道府県知事に通知した。女性医師が働きやすい環境を整備することで、全国的に女性医師の割合が高い産婦人科と小児科での医師不足を解消する狙いがある。女性医師は出産後離職しまう傾向があり、労働時間が短く、そして残業を少なくする勤務形態で、子育てしやすい環境を整え、離職を防ぎ、復職を促進させるとしている。



タクシー離れが続く東京

東京乗用旅客自動車協会の調べによると、2月の1日1台あたりの運送収入は前年同月比0.5%減少し、昨年9月以来6ヶ月連続で前年割れが続いている。昨年12月にはタクシー運賃を約7%引き上げたものの、運送収入は増えず、タクシー離れが加速している結果となっている。同協会の調査では、1日1台あたりの輸送回数は29.6回(前年同月比5.4%減)、走行距離も262.3km(同3.8%減)。1日当たりの運送収入は49,523円だった。



トップへ