社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年03月18日号

金先物価格、1千ドル突破し過去最高に

ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、金先物取引で4月物が一時1トロイオンス当たり1001.5ドルを付け、過去最高値を更新した。ドル安を背景に安全を求めたファンドや年金基金の資金が金先物に流入したとみられる。また、原油先物市場ではWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)で4月物が一時1バーレル当たり111ドルを付けて最高値を更新した。米経済の後退が鮮明になってきて、ドルが売られ、金や石油などの先物取引に資金が移動してきている。



投資信託トラブル相談件数は増加傾向に

国民生活センターによると、2006年度に全国の消費生活センターに寄せられた投資信託に関するトラブル相談件数は993件に上り、03年度(482件)の2倍にまで急増している実態が明らかになった。今年度も2月末現在で前年度同期を100件以上も上回っている。昨年9月に消費者保護を狙いとした「金融商品取引法」が成立したものの、トラブル相談内容の多くは、契約後に高額な手数料の請求されたケースや元本割れでの損失が生じたケースなどで、金融機関側での説明不足と契約者の理解不足があると指摘している。このため同センターでは「リスクを伴う商品の性質をよく理解したうえで契約して欲しい」と呼びかけている。



国民年金加入者の25%が非正規社員

社会保険庁がまとめた国民年金の加入者調査によると、加入者のうち24.9%が臨時雇用やパート労働などの非正規社員であることが分かった。国民年金は自営業者・農業や漁業に従事している人や学生などの加入を義務付けているが、非正規社員が全体の4分の1を占めているのに加え、無職の人の31.2%もあり、国民年金加入者の半数以上が雇用や収入に不安定な層が占めている実態となっている。今後の経済・景気が下振れした場合に、雇用や収入の変動によっては年金保険料の滞納が増えることも想定され、年金制度そのものが崩壊しかねない不安要素が浮き彫りとなった。因みに、02年の前回調査と比較して、非正規社員は3.9ポイント上昇し、自営業(17.7%)は0.1ポイント低下している。



2030年、世帯の37%が「1人暮らし」

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所がまとめた「日本の世帯数の将来推計調査」によると、2030年には「一人暮らし世帯」は1824万世帯に達し、全世帯の37%にまで達することが分かった。「一人暮らし世帯」のうち、39%の世帯が65歳以上の高齢者世帯となる。非婚化と高齢化が急速に進むことに他ならない。逆に、夫婦と子供世帯は27%減少(05年比較)し、祖父母と親子などで暮らす「その他世帯」は12%減少(同)、夫婦のみの世帯も3%減少(同)する。また、1世帯あたりの平均人数は05年の2.56人から2.27人に減る。同研究所では、「周囲に気づかれずに独居老人が死亡する孤独死の増加が懸念される」と指摘している。



07年度政管健保、1800億円の赤字に

社会保険庁がまとめた07年度政府管掌健康保険(政管健保)の収支決算見通しによると、約1800億円の赤字に転落することとなった。高齢化による医療費の増大と伸び悩む賃金を背景にした保険料収入が微増にとどまっていることが要因となっており、08年度も同額規模の赤字となると同庁ではみている。赤字については、財政の安定を図るとして積み立ててきた「事業運営安定資金」(約5千億円)を取り崩して補填することにしているが、このままの構造的な赤字体質にメスを入れない限りは09年度で資金も枯渇してしまうことになる。



万能ワクチン開発に光明が

国立感染研究所や北海道大学などのチームは、様々なタイプのインフルエンザウィルスに対応してウィルスの増殖を抑える有望な新物質(ワクチン)を開発した。新たなワクチンは従来の免疫の働きを増進させるものと異なり、ウィルスが感染した細胞を攻撃して増殖を封じ込める機能を持っている。発生が懸念されている新型インフルエンザをはじめ、どんなインフルエンザにも効く『万能ワクチン』の実現にもつながる成果とみられている。鳥の強毒性ウィルス(H5N1型)が感染したマウス実験で、肺でのウィルス増殖を約10分の1に抑えられた。



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