社会・経済のうごき@しんぶん
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2008年01月22日号

中小企業向け融資残高は減少へ

07年11月末における中小企業向け融資残高は7ヶ月連続減少の178兆円になっていることが日銀の調べで分かった。これまで大手行や地銀は、大企業よりも利ザヤが大きい中企業向け融資を強化してきたものの、倒産件数の増加で貸し倒れ懸念が強くなってきていることから、中小企業への貸し出しに慎重姿勢を示していることが浮き彫りとなった。今後、原材料の高騰を販売価格に転嫁できずに経営悪化がさらに進展すると見られる中小企業の融資に銀行が融資審査基準を厳しくするなどの慎重姿勢は景気減速や国内経済への深刻さを招きかねない。



中国の貿易黒字は過去最大に

中国税関総署は2007年の貿易収支での黒字は前年比47.7%と大幅に増加し、過去最大を更新する2622億ドル(約29兆円)になったと発表した。貿易黒字が過去最高を更新するのは3年連続で、今回の黒字ではドイツを抜いて世界最大規模になった可能性もあると見られている。EUや米国での黒字が大幅に膨らんでいるのに対し、日本をはじめ対アジアでは赤字で推移している構図がある。今後、欧米からは不公正貿易との指摘から一段の人民元引上げを求める声が大きくなるのは避けられそうにない。また、こうした貿易黒字を背景にした中国の外貨準備高は前年より43%増え、過去最高の1.53兆ドル(約170兆円)に達したと中国人民銀行が発表した。



個人向け国債の販売額、最低額に

財務省が1月に販売する個人向け国債の販売額が2006年1月に販売開始して以来最低額の5511億円になったことが分かった。また、確定した2007年度分の国債発行額は当初発行予定額(6兆3300億円)を大きく下回る4兆6617億円になった。財務省では、販売が低迷している点について、「金利低下で投資家の魅力が薄れた」とみている。米国のサブプライムローン問題が世界的に深刻化して以来、日本国債の流通利回りも低下していた。



厚生年金の未納企業に強権発動

厚生労働省は、08年度から厚生年金保険料を支払わない未加入事業所に対して、企業の個別訪問や従わない場合に事業所の資産を差し押さえるなどの対策を強化する方針を固めた。厚生年金の支払い義務があるにも関わらず、支払っていない未加入事業所は06年度末で約9万7千件あり、前年度より3万4千件と大幅に増えている実態から対策を強化するというもの。納付率の低い都道府県を指定し、社会保険事務局職員が戸別訪問を行い、経営者にその場で厚生年金加入書類を書かせたり、事業用資産の差し押さえも辞さない構えだ。



新車販売台数、25年ぶりの低水準

自動車業界団体が発表した2007年の新車総販売台数は約535万台にとどまり、25年ぶりの低水準となった。内訳は、登録車(排気量660cc超)が7.6%減の約343万台、前年に過去最高を記録した軽自動車(排気量660cc以下)も5.1%減の約192万台となった。人口減少、若者世代での非保有率増加、ガソリン高といった要因が販売台数を押し下げている。また、販売台数減少は、カー用品といった関連業界への売上高減少に影響を与えている。自動車用品小売業協会発表によるカー用品売上高は前年度比3.2%減少、06年の自動車雑誌発行部数も95年のピーク時に比べてほぼ半減の8100万部にとどまっている。



11年から年金受給者の死亡届不要

社会保険庁は、2011年4月から住民基本台帳ネットワークと連動することで、国民年金・厚生年金の受給者が死亡した際に社会保険事務所に死亡届の提出を不要とする制度見直しを行う。住民基本台帳ネットワーク制度には国民の99%が登録されており、市町村への死亡届で受給者の死亡が確認できるため、現在行われている遺族が社会保険事務所に死亡届を出す必要が省かれるようになる。



初詣でした人は過去最多に

正月3が日に全国の主な神社・仏閣に初詣した人の数は9818万人で、統計開始の1974年以降最多だった。前年より23万人増加。トップは明治神宮で、次いで、成田山新勝寺、川崎大師となった。3が日の穏やかな天候が影響したとみられる。



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